『戦後経済史は嘘ばかり 日本の未来を読み解く正しい視点』(高橋洋一著)は、アマゾンオーディブルの読み放題で読むことができます。その他の高橋氏の書籍も読み放題にかなりあります。
ちなみに以下の三つの書籍がアマゾンオーディブルで無料で読めます。
はじめに
多少むかつくタイトルだが、この動画がもっと高橋氏の本質を表している。
ずっと敬遠してきた高橋洋一氏を研究した理由
私が、他は高橋洋一氏ずっと敬遠してきた理由は、私の知能の低さにあると思う。いきなりこんな書き出しは、変かもしれないが、MMT的なじゃぶじゃぶマネーの高橋氏の考えに、長い間賛同できなかったのだ。だが、それがコロナ後変わった。
コロナ後のアメリカが行った政策は、高橋洋一氏の理論まんまだった
コロナという“デフレ危機”に対し、“MMT(じゃぶじゃぶマネー)”を行った米国

- コロナ前まで20年近く経済書を読んできた(よくわからずに)
- コロナウイルスの発生で、世界クラスの“デフレ危機”が発生
- 高橋洋一氏の理論をまんま実行したアメリカの金融政策をリアルタイムで見た
- 頭だけではなく、体でも、高橋氏の財政理論をわかる機会となった
ちょっと難しい内容になるかもしれないが、上記が私が高橋氏を理解するに至った工程だと思う。
もっと違う言い方をすると、高橋洋一氏とその師であるバーナンキ(元FRB議長)のじゃぶじゃぶマネー理論は、コロナ前までは、少数派の理論だったが、コロナのパンデミックで、世界中がそうせざるおえない形で、多数派になった。ということだと思う。
以下の副島隆彦氏(藤巻武史とか)などを筆頭に、じゃぶじゃぶマネー(金融緩和的な財政政策)は、悪だというスタンスを、私も長い間洗脳されて信じてきた。だが、それは誤りだった。
高橋洋一氏のプロフィールを、独自解説
長谷川幸洋氏とつるむようになって、軟化した性格
本人の書いたプロフィール
まずは本人の書いたプロフィールを見ていく(システムブレーン参照)
大蔵省(現・財務省)入省。理財局資金企画室長、内閣府参事官、総務大臣補佐官、内閣参事官などを歴任。2007年に財務省が隠す国民の富「霞ケ関埋蔵金」を公表。2008年『さらば財務省!官僚すべてを敵にした男の告白』(講談社)で山本七平賞受賞。
- 1955年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。
- 1980年、大蔵省(現・財務省)入省。
- 理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官、内閣参事官(総理補佐官補)などを歴任。
- 2007年に財務省が隠す国民の富「霞ケ関埋蔵金」を公表し、一躍、脚光を浴びる。
- 2008年、退官。
- 現在は、嘉悦大学ビジネス創造学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。国・地方自治体・政党など政策関係者向けの政策コンサルティング、民間企業・非営利団体向けのサポートを行なっている。
- 2020年10月~2021年5月 菅義偉内閣において内閣官房参与(経済・財政政策担当)
ウィキペディアから目立つ部分の引用
窃盗容疑
2009年(平成21年※『霞ヶ関埋蔵金』の2年後、『さらば財務省』の次の年)3月30日、温泉施設のロッカーから高級腕時計などを盗んだとして、警視庁練馬署により窃盗容疑で書類送検された。警察によると、3月24日20時頃、東京都練馬区の温泉施設の脱衣所で、カギのかかっていないロッカーから現金5万円が入った財布や、数十万円相当の「ブルガリ」の腕時計を盗んだ疑いが持たれている。
→これに関して、私も地上波のニュースで連日目にした。だが、どうやら罪状は確定していないっぽい。高橋氏自身のこの事件に関するコメント動画などは見当たらないが、頻繁に『財務省は猛烈なスキャンダル攻撃をする』ということを言うので、実感のこもった真実だと考えられる。
新型コロナウイルス感染症流行について
2021年5月24日、政府は、高橋氏が内閣官房参与を同日付で辞任したと発表した。高橋氏は新型コロナウイルスに関する自身のツイッターへの書き込みが2度にわたって批判を受けており、引責辞任となる。 高橋氏は9日、日本と各国の感染者数を比較したグラフを示し、「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」と投稿していた。
→この事件の時、高橋洋一氏は、自宅の住所がなぜかわれて、マスコミや野次馬が大勢訪れたと言っており、彼の住所が漏れたということを平然と認めている。この精神的なタフさは凄い。ただ、タフになれたのは、高橋洋一氏は元々、不動産投資家であり、都内に数棟のアパートなどを持っていて経済的自由があったのも大きいと思う。また、不安定な状態から、菅政権がオリンピック開催まで行けたのもジョーカーとしての高橋氏の発言が与えた影響は少なくないと言える。
不透明な事象を概算する“統計学能力”と非常識な“度胸力”
私が15年前くらいに持っていた高橋洋一像は、もっと失礼でお坊ちゃん的なイメージだった。いわゆる世間ずれしていたのだと思う。
それが、長らく金融・財政政策を共にした安倍晋三や、友人としてYouTube運営をしている長谷川幸洋氏のような知人によって、徐々に普通の社交的な人間として変容していったのが、今の高橋氏だ。
1985年以前の日本は、今よりも膨大にじゃぶじゃぶマネーをしていた
固定相場制は、全自動の膨大な金融緩和政策である
話を『戦後経済史は嘘ばかり 日本の未来を読み解く正しい視点』に戻す。
この本の最大の読みどころは、高橋氏が、1985年のプラザ合意(変動相場制への移行)を語っているところだ。そして、それは、日本のバブル景気が嘘で塗り固められているという証明でもある。
固定相場制(1985年以前の日本)
- 1ドル360円になるように、全自動で膨大な金融緩和をしている状態
- GDPが上がれば上がるほど、世界経済に対して有利になっていく
- 1980年代の日本は、その効果が半ば反則的に出過ぎていた
- これによって、海外から日本はインチキ国家と反感をかっていた
変動相場制(1985年以後の日本)
- 通貨レートを半額に切り下げられた
- 今後は、日本自身が最適な通貨レートを調整するために金融緩和をする必要がある
- だが、この手動金融緩和システムを理解できたのは、第二次安倍晋三政権だけだった
- バブル時に清貧の思想が流行り、物価を下げる日銀総裁がヒーロー扱いされた
- 上記のバブル戦犯の名前は“平成の鬼平”こと三重野康(白川方明なども含む)
これらのことを非常に簡潔に文章化しているのが、本書の最大の読みどころである。
このことは、私がこれまで20〜30人くらいの300冊くらいの経済書・ビジネス書籍を読んでも、全く意味不明でモヤモヤしていたことを、一瞬で氷解させた。
本当かどうかは検証できないが、高橋氏の説明が、今の所ベストなのは間違いない。そして、起きている現象や、コロナ禍にアメリカのFRBで行われたMMT的なジェローム・パウエルの政策を見る限り、全くもって現実的で正しい内容だと実感している。
Q:どのような人が、本書や高橋氏の他の書籍を読むべきか?
A:今の高橋氏の知識は、本人が高校時代に偏差値が105くらいだったと言うから、それに近いものだったと思う。だが、将来的には小学生でも知識としては理解しないとダメな情報だと思う。
それまでには、時間もかかるし、いろんな論争や揉め事があると思う。
ただ、今の段階では、例えば米国と日本、といった最低二つの国で、債権や株式の取引をしている人にとって、なんとかわかるものだと言える。そして、わかると目の前の風景が一気に変わる。
私の体幹として、高橋氏の言っていることがわかり始めると、米国人トレーダーや金融関係者が時々間違っていることを言っていることすら気づけるようになる。当然、高橋ダンや両学長、広瀬隆雄が間違っていることを言っている瞬間も気づきやすくなる。
しかし、そのためには彼の書籍を何度も読む必要がある。
そしてそれに最適なのは、やはりオーディオブックだと思う(宣伝で終わってすいません)