チャイナショック到来。中国株は買い場。企業を取り締まるたびに好景気化した不思議な中国国家体制を読み解く(二大中国研究家の論から今後の展開紐解く)

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※あくまで参照としてお読みください

中国テック教育株の暴落が発生

7月の4週目から5週目にかけて、中国の教育関連IT企業の有償化規制によって、当局の大規模取締りがあり、ニューオリエンタルエデュケーション&テクノロジーズの70%の以上の暴落が起点となってチャイナショックが発生しました。

ティッカーシンボルEDUのニューオリエンタルエデュケーション&テクノロジーズ。70%の暴落だが、その以前から、中国株全体に大幅安が断続的に起きており、既に瀕死の株価からの暴落であった。
連鎖して中国大型テック株ETFも暴落
新たな規制が噂されるアリババやテンセントも暴落し、犠牲を被った

キャシー・ウッドを筆頭に投資家の投げ売りが連鎖

ARKイノベーションETFのキャシー・ウッドは、中国ハイテク株の比率を8%から1%未満へと変更し、大量の中国株を売却したと報じられた。(参考記事:ブルームバーグ

同ファンドの売却タイミングは、この暴落の一週間ほど前で、中国ハイテク株の暴落の兆候が見え始めていたときだ。キャシー・ウッドのこのアクションに追随して、米国大手機関投資家は次々と持株を売却して、その後、このチャイナショックをきっかけにさらなる投げ売り状態になった。

大規模規制とともに奇妙な発展をする中国IT企業

しかし、私はこの動きに対して、逆の立場を取ろうとしている。銘柄はVWOというバンガードの新興国ETFだが、中国IT企業を50%近く含んだものを、暴落の程度に合わせて今後も購入予定である(まだ買い始めだが)。その思考になぜなったのか?それをこれから解説する。

私は、長らく中国企業を研究するために、中国関連経済書籍をずっと読んできた。そこで見えたのは、中国大企業群は『当局から大規模規制を受けるたびに経済発展を行なってきた』という現実である。それは、なぜか?先に答えを行ってしまうと、中国という国は、民主化をしたいが汚職・企業のルール違反が酷すぎて、それらを取り締まろうとすると、共産主義がさらに強まってしまう、というダブルスタンダードを抱えた国だからだ。その結果、共産化を加速させながら経済的に豊かになるという、妙な構造になっているわけである。

以下では、それらの知識のベースになった書籍に触れながらエビデンスを示していく。

中国国民ムード研究:橘 玲

まず、一人目にあげる中国研究の第一人者は、言わずと知れた経済系書籍のベストセラー作家:橘玲氏だ。彼の『言ってはいけない中国の真実』では、中国人の性格の根底にある、文化背景を注意深く丁寧に記述している。この本の視点は民衆視点である。

なぜ、粗悪品を作ってしまうのか?どうして、友人を迎える時に、糖尿病になってまでも度数の高い高級酒を一気飲みするなど、豪勢な食事でもてなすのか、といった生活様式から、仕事・企業面まで、あらゆる中国人の体質が、納得できる形で解説されている。

ここから導き出される中国人の性質というのが、その成長性の問題だ。中国人というのは、ある程度の企業成長には悪くズルい行いを『清く・正しい』『やらないとウソ』と考えて頑張る。しかし、人間関係が安定したある時からそれを、突如、礼儀正しさに変える瞬間がある。そこが、友人たちへの礼節としても現れており、それを『グワンシ(日本語の「関係」)』という。

この『グワンシ(ここでは、悪い意味での馴れ合いを指す)』を知れば知るほど、今回の当局からの指導が、実は中国人にとっては当たり前で、正常な、今後の発展のためだとわかる。後出の副島隆彦氏の書籍でもこのことが逆の意味で触れられており、この『グワンシ』が欧米白人には理解できず、それが今回の「投げ売り」につながったと見て取れる。

中国政治家研究:副島隆彦

そして、もう一人の中国分析の第一人者は副島隆彦氏である。

彼は、中国の民衆の分析というよりは、政治家やトップ層の分析に秀でている。

彼の本を読むと、中国の企業成長に関するあらゆることがわかる。中国の大企業も、大きくなればなるほど世界進出が必須となり、そのためには中国の二大政党制の民主主義が必要であると考えており、しかしながら、それとは逆の行動も起こしやすくなってしまうというのがわかる。

中国人留学生は、アメリカに留学しても中国を裏切ることはほとんどなく、これは日本人と大きく違う点だと記している。しかしながら、企業は海外進出に際して、アメリカに寝返りやすく、逆に中国の共産党の指示も忠実な、ダブルスパイとしての機能を持っているらしい。

つまり、中国企業(ダイブルスパイ:中国を裏切り安い)・研究者やエリート(中国に忠実)とのこと。

この過程で、アメリカに進出した中国企業は、社員などが、企業がアメリカに裏切ったことを共産党に通達するケースが少なくないという。しかしながら、この社員はその後、中国企業にとっても、共産党にとってもお払い箱になるのだという。これは、なぜかというと、結局、中国大企業は、アメリカと中国共産党の間で、さらに利便性の高い企業へと生まれ変わるからだという。

上記の副島氏の本から読み取れるものは、2020年のTikTok騒動、2018年のファーウェイなどでもわかるが、結局のところ、アメリカと中国のちょうど良い落とし所で、雲散霧消する形で消える。

その代わり、ここが重要だが、個別株としては、銘柄はきちんとダメージを受ける。

そういう意味で、やがて標的となった企業以外の大企業をはアメリカでうまくやっていく感じとなるわけで、そういう面では、銘柄組み替えのあるETFでさえ投資しておけば、今回のチャイナショックも下げは買い、というのがわかる。

おすすめのETF「バンガード:VWO」

VWOの長期チャート。40ドル近辺から30ドル近辺が、繰り返すチャイナショックのエントリーポイントだということがわかる。

よって、私の答えとしては、個人投資家はチャイナショックのたびに、中国関連ETFを爆買いするべきだという答えとなる。その中で最もおすすめなのが、旧BRICsをメインに作られたバンガードのVWOである。VWOは、チャイナショックのたびに暴落をしつつも、必ず値段を戻してきた。万が一中国企業がダメになっても、インドやロシア、ブラジルなどの大企業への銘柄変更もできるため安全である。よって、今後、チャイナショックで暴落したら、この株を私は購入していくつもりだ。

VWOは、暴落すると2%〜4%の配当利回りでも購入可能なため、インカムゲインでもキャピタルゲインでも両方に優れた結果を出せる。

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