独自編纂でオリジナルに最も近い。著者自身の子育てから着想。再現性の高い成功術:ナポレオン・ヒル『新・完訳 成功哲学』アチーブメント出版 要約

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著者紹介

ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill 1883年10月26日 – 1970年11月8日)は、アメリカ合衆国の著作家。成功哲学の提唱者の第一人者の一人であり、『頭を使って豊かになれ (邦訳:思考は現実化する)』(Think and Grow Rich)の著者。大恐慌時に自己啓発とビジネス成功哲学の確立に奔走し、戦後の労働市場の安定と好景気の土台となる仕事を行う。葬儀では、アメリカの歴代大統領やトップ企業などから大勢の追悼の寄稿が寄せられた。

マスターマインド(集合知)と思考の現実化能力を解いた名著

本書に通底していることを下記のように箇条書きしておきます。

  • 著者の聴覚障害を抱えた息子がいかにしてそのハンディを「金銭化」「出世化」したか
  • 主に大卒の新卒リクルーターに向けて書かれている
  • アメリカの大恐慌時の貧困層に向けて書かれている

本書は、非常に珍しいことですが、大学新卒リクルーターへ向けて基本的なことが書かれている。この本が書かれた1930年代のアメリカは大恐慌に翻弄され、経済的な凋落によって社会から極度に夢がなくなっていた時代である。その中で、ナポレオン・ヒルはどの層に働きかけるべきのかを考えに考え抜いたのではないだろうか。

本書の原書である「Think and Grow Rich」は、元来分厚い本で、アメリカ独自の情報も多く、1920〜30年代に限定された情報も少なくない。

そのため、各地で出版されるときには、大きな編纂作業が必要となる。このような中で日本では、きこ書房「思考は現実化する」と本書アチーブメント出版「新・完訳 成功哲学」の二つが生み出された。また、番外編として、『巨富を築く13の条件』などのスピンアウト本も多数存在する。

きこ書房とは、全く違う趣旨で編纂された

ネット上では、レビューなどでお互いの良し悪しを避難しているのが目立つが、基本的には同じ書籍である。しかし、重要なキーワード「マスターマインド」などの分かりやすさ、反復などによる浸透力の深さはこちらの本が優っている。私は、両方読んでいるがこちらをおすすめする。

ネット上でかなり叩かれているきこ書房に対しては、日本でナポレオン・ヒルを著名にした宣伝・マーケティング手法にはとても敬意を持っており、そして何よりも同著者の『悪魔を出し抜け!』を発刊しているので、悪くいうつもりはない。

驚愕の名著『悪魔を出し抜け!』ナポレオン・ヒル 過去記事

本書の卓越された良さは、ナポレオン・ヒルの耳が聞こえない息子を具体例に『思考の現実化』を解説したところだろう。生まれつき耳が聞こえなかった息子がコンプレックスに苛まれて育たないように、また、自分だけの境遇を何とかして「現金化」「職能化」できるように教育して、どのようになったのかを辿るその道筋は、現代の人間にも強烈な印象を残すだろう。

また、この著者のテーマである『性欲の金銭化・能力化』についても、同署は『思考は現実化する』よりもうまく書かれている。

日本もそうだが、アメリカもかつては生欲を極度に否定的に捉え、残酷な教育、極端に保守性をともなった教育をしてしまっているという過去があった(日本は今でもそうだが)。

その過ちを、恐ろしいリスクを犯しながらヒルは丁寧にこの著作に書いている。当時このような書籍をかいくことは、想像を絶するリスクを孕んでいたのは容易にわかる。性欲がいかに自身の能力、アイディア力と直結しており、人間の夢の実現に必要かが本書の要である。

性欲は個人の能力に直結する。だが、若ければ若いほど、これは誤解されている。そのため大卒生に向けた本を書く必要があった

従来の自己啓発本が、避けて通ってきた事柄が多く書かれている。性欲に移管しての描写以外にも、さまざまな、常識的には受け入れられないであろうことが書かれているのだ。

紳士であること、成功に自惚れるな、実直で真面目にするべきだ、という基本的なことを通り越して、極端なメッセージがあるため、ヒル博士の書籍は、きな臭い扱いを受け、長期にわたり冷遇されてきた。そのため、これはあくまでも私の勝手な想像だが、ヒル博士の版権をほとんど持つきこ書房の編集者たちはそのマーケティングに苦労したことであろう。

本書に書かれていることは、年寄りは影でこそこそ実行しているものはあるような気がするが、若ければ若いほど、遠ざけられている常識であるものが少なくない。

だが、年をとってから知るのでは遅すぎる。

そう言う思いが本書からは強烈に感じられるし、そもそもの前提が大学の新卒生に向けられて書かれたような本であるのは、読むとわかる。

また、きこ書房の本当は違い、本書はヒル博士の、多神教的な側面が強い。この本をイスラム教とや仏教徒などアメリカにいるであろう全ての人種に対して書いている点も重要である。

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