本書は、「宗教」と「学校」を辛辣かつ論理的に非難するシーンがあるため、執筆された1938年以降、著者の家族によって70年以上も封印された書籍。
リーマンショック後の2008年に初版を発行しています。
私個人としては「思考は現実化する」を遥かに超える、自己啓発書の名著。内容を加味すると、スティーブン・コヴィ「七つの習慣」の人道主義と表裏一体をなす書籍といえる。
著者紹介
ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill 1883年10月26日 – 1970年11月8日)は、アメリカ合衆国の著作家。成功哲学の提唱者の第一人者の一人であり、『頭を使って豊かになれ (邦訳:思考は現実化する)』(Think and Grow Rich)の著者。大恐慌時に自己啓発とビジネス成功哲学の確立に奔走し、戦後の労働市場の安定と好景気の土台となる仕事を行う。葬儀では、アメリカの歴代大統領やトップ企業などから大勢の追悼の寄稿が寄せられた。

本書を読むべき人
- メンタルブロックが外せない人
- 学校教育に違和感をぬぐえない人
- 性欲がある人が大きなことを成し遂げてきた事実を知りつつある人
- 宗教が人を幸せにしていないかもしれないと感じている人
本書に書かれていること。
- 学校制度、教会から生み出される負のエネルギーを解説している
- 人はなぜ豊になれないのかを簡潔に解説している
- 金銭の問題を解決してから、初めて幸せの探究が始まることを証明
- 悪魔は、善人を利用して人間を苦しめている
久しぶりに涙の出る名著を読んだので記録しておきたい
ナポレオン・ヒルは世界大恐慌が長引き、人々の生活がどん底に落ちて久しい1930年代に「思考は現実化する」などの自己啓発というよりは金融教育本に近い本をヒットさせたことが有名である。
そして本書「悪魔を出し抜け!」は、原稿が完成した1938年から70年後の封印期間を経てリーマンショック時の2008年に発行された。
ひた隠しにしていたヒルの親族から70年後に公開された本書では、学校教育と教会、宗教の持つ「悪魔性」についての記述がある。この部分のせいで、1世紀近く封印されることとなった。
学校教育と教会、宗教が人間から「考える」能力を奪った
人間本来の能力とは何だろうか。そして、人間の未来とは何か。
ヒル博士によると、人間はまた「思考」の入り口にたっただけで、その入り口でただたたずんで歩みを進められないという。別の言い方をすれば、道具を持っているのに、その道具を握って動きが止まったまま何世紀も、無為に過ぎているという。
青年ナポレオン・ヒルは、法律家を目指した20代の頃、当時世界最大の富豪であったカーネギーのもとを訪れた。そして、カーネギーより生涯をかけて世界中の成功者と失敗者を研究することを打診される。そしてその20年後に上梓したのが「思考は現実化する」である。
本書とよく比較されるのが、自己啓発本として知られるのが、人道主義を貫いたいわゆる「良い人戦略」であるスティーブン・コヴィの「七つの習慣」である。
「七つの習慣」は、善良さを前面に出した人格主義の書籍である。
影響の範囲であれば、どんな些細なことにでも親切丁寧に耳を傾け、人道を貫く。礼儀が豊さを招く。かつての歩きタバコや家庭内暴力、パワハラ全盛の時代をなきものにしようとしている今の世の中を支配しつつある考えが、この「七つの習慣」にはある。
そして、この「七つの習慣」が神であれば、「悪魔を出し抜け!」は悪魔の書籍である。

学校教育・宗教による「人間の発達を極限に抑え込んだ」現代社会。あなただけにはその抜け道を教えてあげよう
- 例えば汚い商売をやっている、と非難されながらも、やっと軌道に乗り始めた人
- 脱税スレスレの税金対策やリストラを繰り返しながらどうにか生き残った経営者
- 他人を蹴落としながら有名になった人
- 借金の踏み倒しや離婚などの過去を経て、現在がある人
本書で書かれていることは、結果的にはそういう人だけが、たどり着く思想だと私は思う。
ただし、若いうちに本書を読める人も少なくない。自分の中にある“強欲”、つまり有名になりたい、成功したいという人にほど、効果があるはずだ。
冒頭では、著者のヒル自身が「悪魔に魂を売った」ある日のエピソードで本書は、始まる
本書では冒頭で、実際にナポレオン・ヒル本人が、神に魂を売り続けた日々を告白するところからスタートする。ここだけでもすごい内容である。
以上、参考にしてみて欲しい。
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