著者紹介

竹内かなと
1983年奈良県生まれ。
学校での人間関係に疲れ果て、社会人になる事にも絶望を感じていた19歳当時、図書館で名著「金持ち父さん」を発見。「貸家を手に入れたら、社会に出なくても毎日バイクでブラブラ出来るのでは!?」と、読んだその場で進路を「大家」に決定。相方のシマダくんを道連れにして、ヤフオクで軍資金を作って戸建大家に。現在も一緒に活動中。
本書の特徴
- 無一文の田舎の高卒生が、資産家になるまでの経過・マインドが書かれている
- 築古戸建て投資。対象は大都市意外または郊外僻地の不動産
- ヤフオクに関してのスキームは凄いレベルのものが書かれている
- 編集者に掲載を断られたやばい法律ギリギリ案件も付録で掲載
- 全くノウハウがない状態での競売物件のリスクがよくわかる
リベ大両学長が影響を受ける。中古本は常に高額
ずいぶん前に読んだ本だが、この本のレビューを書いておきたい。というのは、この本に書かれているノウハウは、今でも新しいビジネスを考えるときに必要な要素が詰まっているからだ。私はこの本に本当に影響を受けたし、リベ大の両学長などをはじめ、現在、例えばメルカリで儲けていたり、不動産投資以外でも高配当株で儲けている人、スモールビジネスの成功者たちも彼のこのコアな思考方法に影響受けた人は多い。
オークション・フリマサイトの応用性の高い情報を掲載
本書が初めて書かれたのは2014年。その後、再編集されて本新版が発行されている。
誰も驚くのは、戸建て不動産投資の模索ぶりよりも、前半に書かれた、高校を卒業したばかりの若干10代のときにオークションで成り上がるまでの経過であろう。ただ、ここで書かれたオークションのメソッド、いずれも再現性が高し、他のビジネスにも応用可能だ。例えば、仕入れ費用ゼロの低額テキスト商材などは現在も残っており、その第一世代と言える。その応用可能な思考法が書かれている。
きっかけは「就職したくない」
著者の竹内かなと氏は、高校卒業後に友人とともに、「就職したくない」という理由でオークションを開始。その前提には、過酷になりすぎた正社員業務、またそれでも異常に高まっていた正社員信仰に対して、著者がずっと違和感に持っていたからだと推察される。
最初は拾ったバイクの部品を売る、貰い物を売る、というところからスタート。
近所をうろうろして、拾って売れるものはなんでも販売するという形で稼いでいく。
そんな中、500円で「銀行振込費用をタダにする」という情報商材で大ブレイク。自動で月に30万円を手に入れるというのを経験します。ただ、ここでは多くは語れませんが、オークションの業界は、
他社からの妨害やパクリなどの戦略戦争が熾烈。著者は、レビュー妨害やカラ落札などをライバルバイヤーから絶え間なく受け、精神的に病んでしまいます。
19歳で精神を病む。利回り資産に投入するようになるまで
精神的に病んだ後も著者は、結婚して子供が産まれるなどしたため、無理してオークションを続けます。そして最後には本当にダメになる寸前まで行く。この後、自分はどうするべきか。そんなときに、無駄金を注ぎ込んで、自宅として競売物件を落札するという経験をします。また、同時期には療養のために通っていた図書館でロバート・キヨサキの「金持ち父さん、貧乏父さん」にも出逢います。
自宅を初めて所有したことで精神的にも安定し、また同じような境遇、つまりは賃貸のアパートに住むよりも戸建て住宅に住みたいという人種が世にたくさんいることに気がつくわけです。つまり、これは現在でもそうなのですが、戸建ての賃貸が日本は少ない。
そこから、利益をボロ戸建に投入するという目的を持つようになっていきます。
競売物件の記述の凄さ。暗中模索の工程を全て細かく載せている
かつて、競売物件の不動産投資といえば藤山勇司さんが有名でした。
↑藤山さんの自己紹介動画
ただ、藤山さんをはじめ、競売物件の手法のノウハウは非常にクローズドで、法務的な事前知識など多くの下準備が必要で、誰か詳しい人に弟子入りするという形で取得するのが一般的でした。
ところが、この著者の竹内かなとさんは、無知で素人根性100パーセントでこの業界に入っていきます。そして、本書には、彼の経験したことがその完成形に至るまでこと細かく全て書かれているのです。若干、20歳代の若者が、知識ゼロで競売物件の覇者(現在100以上の物件を所有)となるストーリーは、ある種の業界標準を破壊するような衝撃だったと思います。
この書籍に書かれた「初心者の苦悩」は全てに通じる
ということで、この本の最大の利点は、オークション・転売系の初心者本、もしくは競売物件専門の初心者本にすら書かれていない「初心者の苦悩」「初心者の悪戦苦闘ぶり」が、丁寧に書かれていることです。おそらく、競売に関する詳しいノウハウは他の本のほうが参考になるとは思います。
しかしながら、ビジネスをするためにはそんなものは最低限でいいわけです。
ただただ、必要なのは「ビジネスのマインド」と「資産家への道歩み方を模索する覚悟」。本書は奇跡的に生まれたこの両者が書かれた、本当に珍しい書籍だと思います。