全ての詐欺師の手口を先回りして退治!しかもアホでもわかる。プロの復習用にも最適『臆病者のための株入門』橘 玲

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著者紹介

著者Twitterアイコンから引用

橘 玲
日本の男性作家(1959〜)。本名は非公開。早稲田大学文学部ロシア文学科を卒業。元・宝島社の編集者で雑誌『宝島30』2代目編集長。経済書籍での脅威のベストセラー出版率を誇る。

本書を読むべき人

  • コロナショックから株式投資に参入した人
  • 自分はバカだと自覚あるが、株で稼ぎたい人
  • 株の基本をおさらいしたい人
  • 難しい単語なしで、ストーリーで株式投資の本質を掴みたい人
  • 『株式投資の未来』『ウォール街のランダムウォーカー』のような難しい書籍を読まずに、それとほぼ同等の内容を手軽に、しかも簡単に読みたい人
  • 橘氏の株のポジションを知りたい人

これ一冊で基本から応用まで充分

本書は、株式投資を行う上で、素人やプロでさえもおちいるブラックホールを前提に書かれている入門書としてはありえないレベルの凄い書籍である。親切すぎるというか、低レベルから超ハイレベルまで一気に網羅するような、どんな詐欺師の手口でさえも、先回りして退治してやるぜ!という著者の気合いが、本書を通して感じる。

株はギャンブルだと気付けば、見えないものが見える

一番初めに、著者は「株はギャンブルである」と言い切る

これがもしかしたら本書の一番のキモかもしれない。そうなのだ、株はギャンブルなのだ。逆に言えば、ギャンブルだと言い切れない人間は、全て詐欺師であり、無視した方がいい。私もこの著者の言い分に賛同する。そして、ギャンブルだと割り切ることで、初めてそこに秘められた素晴らしさが見えてくる。

本書では、まずは株価の決まり方から、債券、為替、インサイダー取引あたりまでの一気にわかりやすく前半で触れる。そこから、実際のトレーダーの業務や証券会社というものの本質、日本株やアメリカ株の長期間にわたる歴史概観まで端的に語る。

その後が、素晴らしい。絶賛しすぎかもしれないないが、本書の後半部で書かれているのは、ウォーレン・バフェット『バフェットからの手紙』やジェレミー・シーゲルの『株式投資の未来』、バートン・マルキール『ウォール街のランダムウォーカー』といったプロ必読の書籍を、バカ(小学2年生以下)でもわかるようにまとめてくれたものだ。

上記の書籍を読むのに、一般人なら180時間くらいかかる。それが、本書ならおそらく30分から1時間以内に、しかも原書を読むよりもかなり正確に理解できる。

著者はリスクまみれの株式投資経験が豊富

なぜ、橘玲氏はこのような書籍を書いたのか?

彼は単なるお人好しなのか?

その理由も本書で触れらている。著者は、1990年代初頭から、出版社の編集職がもうすでに斜陽で儲からない仕事であることに気がつき、嫌気をさしており、血眼で金儲けの逃げ口を探してきた。Fax全盛でEメールなんか誰も使ってなかった頃から、どうにかして海外とやりとりをしながら、外国株式や外国信用取引を行なうという苦行を行ってきたのだ。

不便がマックスな頃の投資世代である彼は、ひいひい言いながら苦しんで、しかも大損をこきながらなんとか株式投資を続けてきた。そんな彼は、初心者が騙されつづけている日本の株式投資の内情を見過ごせず、証券会社の全ての悪行をぶちまけるが如く、このような書籍を書いたのだ。

それだけ、日本の投資環境はひどい(2021年も変わっていない)。

彼がここで書いた知識やノウハウは、時代は関係ない真理である。ずっと使える。彼はこのようにある特定な状況において、お人好しであってくれるから、彼は編集マンとしても生き残り、ベストセラーを連発できたのだろうと思う。

兎にも角にも、内容が優れている。読んで損する人は、私を訴えてもいい。

橘玲でさえ、最終的にはインデックス投資一択

最後に、彼が証券会社営業マンやアナリストという無能な職業の人々から訴えられる覚悟を持って、結局のところどんなものがベストかということで行き着いたインデックス投資の話をしておきたいと思う。

インデックス投資は現在では、あの薄っぺらい知識人の中田敦彦でさえすすめる、もはや誰も否定できるものがいない、鉄板で安全な投資手法である。そして、本書でも結末はこのインデックス投資を一択で押している。

だが、本書で語られるインデックス投資は、その辺のものとは違い、読むことでさまざまな知識・覚悟・ベストなポジションなどを含めて、情報量が半端ない。しかも高度なコアサテライト戦略についても触れている。私も今回読んでみて、結局この本が一番いいなと思ったくらい、素晴らしい内容である。通常、インデックス投資は儲かるが、つまらないので、火遊びがしたくなり、中・上級者はそこで地獄を見るが、そこまでも本書はフォローしている。

投資手法のほとんどは、アメリカ発の書籍で語られてきたものだ。だが、橘氏の解釈の方が数倍注意深く、深い配慮がなされており使える。本当に実践的でいい本である。

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