【動画あり】ビジネスマン必読。だが、欠点を掘り下げてみる。批判的にレビュー スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』

オーディオブック

スピーチをする著者

この記事を読むべき人

  • 『7つの習慣』に違和感を感じた人
  • 『7つの習慣』を読んで、実践しても上手くいかない人
  • 現在主流になりつつある「人格主義」を深く考えたい人
  • ビジネスの本質と「人格主義」の間にある矛盾に気が付いている人
  • マキャベリの君主論(暴君論)が、やはり今だに現在は力を持つと考える人

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目次と概要

  • 第一部 パラダイムと原則
    • インサイド・アウト
    • 7つの習慣とは
  • 第二部 私的成功
    • 第1の習慣 主体的である パーソナル・ビジョンの原則
    • 第2の習慣 終わりを思い描くことから始める パーソナル・リーダーシップの原則
    • 第3の習慣 最優先事項を優先する パーソナル・マネジメントの原則
  • 第三部 公的成功
    • 第4の習慣 W i n―W i nを考える 人間関係におけるリーダーシップの原則
    • 第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される 共感によるコミュニケーションの原則
    • 第6の習慣 シナジーを創り出す 創造的協力の原則
  • 第四部 再新再生
    • 第7の習慣 刃を研ぐ バランスのとれた再新再生の原則
    • 再び、インサイド・アウ
    • 私がよく受ける質問

日の打ちどころの無さに隠れた“致命傷”

本書は、ビジネス業界で知らない人はいない書籍である。

読んだことはないが、一度は名前を聴いたことくらいはあるだろう。

東京海上ホールディングスの小宮社長を初め、名だたる起業家に愛読されてきており、日経新聞の『私の履歴書』では、著名人が頻繁に「人生で一番影響を受けた本」として、本書があげられる。

しかし、本当のところはどうだろうか?
私は、この『7つの習慣』は、著名人の本当の人格性、誠実さ、人柄を隠す、隠れ蓑として機能してしまっているのではと考えはじめている。
大企業の社長が、揃いも揃って人格者であるはずがない。
大企業・成熟企業の社長とは、不採算部門の切り離しやリストラが主な仕事だからだ。

本書を読むべきは、どう考えても中間管理職だ。
なぜなら、中間管理職は、人事権・予算権を振りかざせない分、他のことで人を動かす必要があるからだ。それがまさしく『人格主義』である。
ただ、コヴィー氏の人格主義は『本物の人格主義』というよりは『建前の人格主義』である、いかにも大人的なものだと思っている。その辺に関して、詳しく述べていく。

人生80年間で多くの人間に身につかないもの「要約」した本

私が本書を読んで感じたのは、このことである。
そのために、著者のコヴィー氏と子供たちのやりとりが長々と書かれているである。

また、彼が経験した提携企業とのトラブルや過去の過ち、それらの意図は熟練者でもかなりの割合で道を誤ると言う具体例であり、良い人格を形成する習慣が到底身につかないことを示している。

著者の怠慢→「影響力の範囲」を不明瞭にしたこと

本書の習慣は「自分の影響力の範囲」で、善行を行っていくということを軸に描かれている。しかし、「影響力の範囲」とはなんだろうか? 全く何にも描かれていない。コヴィー氏は「影響力の範囲」を定義することから逃げた可能性が高い。

本書に描かれた「影響力の範囲」は、自分に見返りをくれる範囲

コヴィー氏は「人格主義」の元ネタを、当時アメリカでビジネス、金稼ぎの範囲で侵略してきた日本人ビジネスマンから得たと言うことを時々書いている。彼らの目にした日本のビジネマスマンは、「日本式の礼儀・常識」をそのままアメリカに持ち込んで、不特定多数のほぼほとんどの人に礼儀正しく接すると言う、いわゆる日本の一般的な業務訓練を受けた人間たちである。
つまり、わからない人は相手構わず、全てバカ丁寧に接し、うまくいったのだ。
コヴィー氏は、それらの日本人の無座別で非効率な面を見て、脅威を感じつつも、なんとかそれを自国民(アメリカ人)向けにアレンジして伝えなければいけないという使命に駆られたのだ。

本書の「影響力の範囲」=「個性主義に基づく影響力の範囲」

私は、本書をオーディオブックでも所有しているので、一年に10回ほど通読できた。読むたびに、コヴィー氏は高々と「人格主義」を標榜してしまったために「言えないこと」「書けないこと」が充満してしまっていると感じた。
本書で何度も警戒・非難されるものに「個人主義」がある。それがあると、自身の目的を阻害するという、一種の説得感を持って、何度も何度も例示されている。だが、本書を買う人はどんな人か。それは、「競争に負けたくない人」「勝者になりたい人」「自分は幸せでいたい人」である。

「人格主義」は「個人主義」と最後につながるものである。

これが私の結論であり、本書の隠蔽された部分である。
こういう、海外のベストセラーの自己啓発書を読むとき、海を越える時に意味の変わる部分、他国に伝えていいものか悩むべき本質、は実に注意しながら読むべきものである。
うがった考えだとは、いうべきでない。普通に考えたら、わかることだと思う。
ただ、それでもビジネスとしては役に立つ部分が多い。

最後に

本書を読んでもうまくいかない、わからないなら、それはそれで、あなたが本質をつかんでおり、嘘をつけないまともな人間であるということかもしれない。と私は思う。
つまり、気にする必要はない、ということだと思う。

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