ビジネスパーソンが読んでおきたい本で上位にランクイン
2010年代に出されたビジネス本の中で、大ヒットというよりは、かなりの長期間ロングヒットした書籍である。また、リベ大の両学長も本書をおすすめの書籍の上位にしている。
このブログでは本書はどう言う人に読まれるべきかを中心に内容を簡潔化していく。
著者紹介
グレッグ・マキューン

シリコンバレーのコンサルティング会社THIS Inc.のCEO。 数々のグローバル企業をクライアントに持ち、 自身は2012年に世界経済フォーラムで 「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された。 著書『エッセンシャル思考』(かんき出版)は日本でもベストセラーになる。
官公庁や大企業のエリートのために書かれた本ではない。ズブズブの現場の深みにハマった人たちに向けて書かれている
本書は私が以前ブログにも書いたドラッカーの『マネジメント』やスティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』の流れをくんでいる。この二つで定義されている仕事の効率性に関することを要約すると
仕事を以下のの4つのステージに分ける
- (1)最重要・緊急性のある仕事
- (2)重要な仕事
- (3)イノベーションに関する仕事・投資活動
- (4)それ以外の仕事(不要な仕事含む)
この二大書籍では「(1)最重要・緊急性のある仕事」「(3)イノベーションに関する仕事・投資活動」に絞って行い、タイムマネジメント切り詰める。というのが、要点である。
つまりは、(2)や(4)を犠牲にするのである。
この考え方は、現代では半ば常識化している。だが、この考えを根底に持っていても、なかなか現実に向き合って、効率の良いタイムマネジメントをしていくのは難しいのである。
ドラッカーや『7つの習慣』は、無意味な「たわごと」だ
しかしながら、人間の労働環境はいつまで経ってもよくはならない。それは何故か?
理由は簡単だ。少しでも改善したような雰囲気が現場に出たり、なんか、いい感じなった時点で、経営者・マネージャーたちは再び、利益改善や利益追求に舵を切る。その間に、辛い労働に打ちひしがれた人間たちは、再び日々に慣れていく。
そんなことを繰り返すのが人間社会である。その強い流れの中では、ドラッカーや『7つの習慣』といった具体性のない理論書が、本当の意味で人々を癒すことはない。
現実を直視するときに必要なのが『エッセンシャル思考』
話を元に戻す。
現実社会では、そもそもが(1)(2)(3)(4)といった順列に分けることができない。
それが、日々の労働である。もちろん、管理職や多数の外注先を抱えることができる大企業は話は別である。そんな悩みに踏み込んだのが本書である。
一読をして、あとはペラペラとめくる:本棚におくべき書籍
本書の使い方はこうだと思う。
事細かに具体例ばかり書いてあるが、一応はわかりやすい目次に切り分けられている。
目次は以下の通り。
- PART1 エッセンシャル思考とは何か
- 第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考
第2章 選択──選ぶ力を取り戻す
第3章 ノイズ──大多数のものは無価値である
第4章 トレードオフ──何かを選ぶことは、何かを捨てること - PART2 見極める技術
- 第5章 孤独──考えるためのスペースをつくる
第6章 洞察──情報の本質をつかみとる
第7章 遊び──内なる子供の声を聴く
第8章 睡眠──1時間の眠りが数時間分の成果を生む
第9章 選抜── もっとも厳しい基準で決める - PART3 捨てる技術
- 第10章 目標──最終形を明確にする
第11章 拒否──断固として上手に断る
第12章 キャンセル──過去の損失を切り捨てる
第13章 編集──余剰を削り、本質を取り出す
第14章 線引き──境界を決めると自由になれる - PART4 しくみ化の技術
第15章 バッファ──最悪の事態を想定する
第16章 削減──仕事を減らし、成果を増やす
第17章 前進──小さな一歩を積み重ねる
第18章 習慣──本質的な行動を無意識化する
第19章 集中──「今、何が重要か」を考える
第20章 未来──エッセンシャル思考を生きる - 最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ
労働の前提をしっかり見直す
例えば、太字の部分が私の労働環境で重要だと思った箇所である。
私はこの本を、一読し、上記の太字の部分を頻繁に読み返す。それらは、時によっては場所がうつったり、解消したり、記憶仕切ると重要ではなくなる。
時々基本に立ち返る作業として、再度通読をするのいいだろう。
人間は忙しくなればなるほどがんじがらめになる。その点を、本書では非常に丁寧に、そして注意深く解説して、読者の解読を求めるのである。そういう意味で忍耐強く読む必要はある。
前提を確認したら、あとは一読し、その後パラパラと立ち戻る
本書はとてもわかりやすく、一読すると思い出しやすいエピソードで満たされていることがわかるだろう。しかしながら、一回で済ませる書籍ではないのだ。
上記のように仕事をし、日々の生活の中で、ペラペラとめくって、今の問題と似たような事例を探す。そうやって、辞書のように使うのが、おそらく本書の正しい使い方である。
小難しい理論を述べたり、ちょっとした上から知識を注入しておけばいい、といったようなドラッカーやコヴィーの書籍とこの点が違うのである。彼らの本は拡張高い引用先にはなるが、労働者にっては、クソも役に立たない。えらいおっさんが、感傷にふけるような要素は本書にはない。
それゆえ、長期にわたってベストセラーに入り続けた可能性が高い。
いかがでしょうか。
上手く使えば日々の苦しい労働を改善してくヒントを間違いなく得られる書籍だと思います。
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