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著者紹介
西村 博之(通称:ひろゆき)(1976〜)
日本の実業家、著作家(書籍・動画)。日本最大級の匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」管理人。ドワンゴが資金提供している日本最大級の動画配信サービス「ニコニコ動画」元取締役管理人。東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役。
東京都北区赤羽北出身。親は公務員で税務署勤。O型。大学在学中の交通事故で獲得した賠償金を元に、米国に留学。その留学中の1999年にインターネット掲示板「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)を開設し、管理人となる。「2ちゃんねる」は、国民的な裏情報サイトとなり、一時期は頻繁にニュースサイトからの接続・引用があったが、現在は拒否られている。
2005年、ニワンゴ(現・ドワンゴ)取締役管理人に就任し、翌年に「ニコニコ動画」を開始。並行して企画立案、サービス運営、プログラマーとして複数の企業運営に携わる。2015年の結婚を期に、保安面を重視して妻の判断でフランスのパリへ移住。同年、英語圏最大の匿名画像掲示板「4chan」を買収し管理人に就任する。
【本書で語られる主な正解】(出版社の文章)
★子どもの幸せは「勉強しなさい」からは生まれない
★他人が読めないキラキラネームを付ける親がバカな理由
★「あなたのためよ」は他人のせいにする子どもに育つ
★アップデートの時代だからこそ「テストで70点」の大切さを教える
★「夏休みの宿題」の中にはやらなくていいものがある
★いじめを助長するPTAなんてやめればいい
★「スマホは何歳から?」の正解は「何歳でも」
★ゲームを「やるな」より「とことんやれ」が正解な理由
★子どもにネットの「嘘」を見抜く方法を学ばせる
★母親への要求が高すぎる日本社会は毒親を生みやすい
目次
第1章 頑張りすぎない親になる
(「好きなことで生きていく」99%は負け組になる ほか)
第2章 子どもの正しい勉強の向き合い方
(子どもの幸せは「勉強しなさい」からは生まれない ほか)
第3章 子どもとお金とインターネット
(お金持ち以外は子どもに金融教育をしても意味がない ほか)
第4章 日本のバカな学校&子育て環境
(「先輩に絶対服従」の謎理論はなぜ生まれるのか ほか)
まとめ(ブログ主の勝手な)
“ひろゆき”とは、弁証法が使えるアダルトチルドレン
私の中でひろゆきは、アダルトチルドレン(毒親に育てられた子)である。
だが、それは最近まではっきりしなかった。本人もそのことに触れたがらないし。ところが、それがなぜはっきりしたかというと、ひろゆきの奥様の西村ゆかが出したひろゆきを扱った四コママンガを読んだからだ。本書を読むと、ひろゆきが親にあれもやるな、これもやるなと、結構虐められて育った風なのがわかる。あと夫婦本で親の話が一切出てこないのもまさそうだと思った。
関連記事:男が読むと西村博之の隠れざる本性がすぐわかる。金銭的なプライバシーも開陳。超有名人の家庭内情を、読み込みたい人に『だんな様はひろゆき』西村ゆか
彼は、子育てをしないで済む妻を選んだのだろうか、それとも妻がひろゆきの子供を産むの諦めたのか? そんな感じで読み進めたが、どうやらそのどっちでもなく、彼はずっと子供でいたい、という意識が一般人よりかなり強烈にあるだけで、いわゆる保留祭りの中に“子作り”があり、感覚としては「夏休みの宿題を溜めている状態」で45歳になったというのが正解だろう。
ひろゆきにとって、子育て本は珍しく“リスクがある本”
そんな彼が、子供がいないのに本格的な子育て本を書いた。それが本書だ。
なぜ、本格的、と言ったかというと、この本はそれなりに統計だとか事件だとか、調べ物をしないと書けない。通常の本よりも、子育て本は読者からのクレームがつきやすく、リサーチが必要とされる本であるのだ。そして、残念ながら本書は、ひろゆきの本の中でも抜群に評価が低い。
本書を書くきっかけ:スマホやネットと子供の関係をどうするのかの質問が多い
本書の中で、ひろゆきがネットやスマホといったものを、どうやって子供に与えるのか、あるいは与えないのかを、頻繁に聞かれる、と答えている。
本書を書く動機は、むしろそのあまりにもしつこく、同じ質問を繰り返されるのでめんどくさい、というのが発端だったようだ。そして、本書の最大の魅力はその点になる。
スマホやネットを飽きさせろ:ひろゆきの答え
ひろゆきは、自分がソシャゲにハマって、大の大人になってもそこに莫大なお金をかきし続けている中毒ぶりについて分析している。その分析は以下の通りだ。
- 小さい頃両親にファミコンを禁止された反動
- 「隠れてやる」(友人の家などで)と、つまらないゲームも面白く感じる
- 自分と同じ思いをした中毒者が、ソシャゲ界にたくさんいるので安心もする
- ゲームをやりすぎても普通に大学に行けて、金持ちになれた
- 上記の事柄が、自分に一生ゲーム中毒になる原因を作っている
この分析から、大元は自分の両親の禁止が、全ての原因だとひろゆきは分析している。だが、彼はゲームにハマり、親の言うことを聞かなくなったからこそ、金持ちになれたとも実感している。
親がゲーム開発者だと子供はゲームをやらない
本書では、親が禁止しない、以外のネットやゲーム、スマホに依存しない例として、ゲーム開発者の家庭の話がある。
そのゲーム開発者の家には、最新のゲームから古いゲーム、または最高の環境でゲームができるPCやタブレット、アプリ、スピーカーなど全てが揃っている。だが、子供はそんな環境が嫌で、ゲームを全くやらないと言う。むしろ親はゲーム業界に行くのを望んでいるに、である。
ひろゆきの主張:子供や親のカウンターでしかない
全体的にひろゆきの主張は、親はどんなに賢くても、正しく振る舞っても、どのみち「反面教師にしかなれない」という首尾一貫したテーマがある。それはおそらく自分がそうだからだろう。
ひろゆきの主張が通じない世代もいる
だが、私から言わせると、それはひろゆきの世代特有のものだと思う。私もひろゆきと同年代、というか同い年だが、ここが少し違うとだいぶ変わる。
特に「Z世代」という、親もバブル崩壊後の不景気の真っ只中で、子供も東日本大震災くらいに物心がついた世代は、親と「将来不安を共有する」という戦後の日本では珍しい世代だ。
彼らは、親を反面教師とせず、かなり親の言うことを聞くし、従うのだ。
部分的には非常に役立つ本
これらのことを踏まえると、本書は全てが尻尾から頭まで、よくできている、というわけではないが、通常の子育て本のほとんどが見失っているネットやツールとの子供の向き合わせ方、に関しては特化して素晴らしい書籍だと言える。
Q:どんな人が読むべきか?
A:子供がまだ小さいか、既にネットやスマホのへの対応で揉めている子供を持つ親。
上記は、すぐにでも読むべきだと思う。役に立つ。
あとは、父親と母親で育児の基本方針が違いすぎる夫婦も読んだほうがいいかもしれない。なぜなら、ひろゆきの考え方というのは基本的には「弁証法」だからだ。
つまり現実主義だし、よく考えるとそれしかない、という風な答えが書かれている。
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