著者について
小嶌大介(1975〜)
通称、デザイナー大家。
芸術系大学を卒業後、マス広告業界で約10年間グラフィックデザイナーとして勤務。2010年、脱サラを目指し手持ち50万円から不動産投資に挑戦、 デザイナー独自の目線と切り口で築古物件のプランディングし次々と高利回り物件に再生、蘇生するリノベデザイナーとして業界で一目置かれるカリスマ。所有物件15棟120室。平均利回り30%。
著書に『50万円の元手を月収50万円に変える不動産投資法』『廃屋から始める不動産投資』がある。
岡田のぶゆき
大学卒業後、父が経営する経営コンサルタント会社に入社。 社会経験の少なさを資格で補おうと考える中で、不動産投資に興味を持ち、宅地建物取引士を取得。経営コンサルとは別で不動産事業を開始。築古区分、築古戸建の投資からスタートし徐々に規模を拡大していく。リーマンショックによる不動産価格の下落をチャンスと捉え、融資を受けての一棟不動産へと本格的に投資をしていく。
目次
- 第1章 「廃屋の蘇生」という驚愕の投資法
- 第2章 誰も買わない物件だから勝負できる!
- 第3章 デザイナー大家が実践する不動産投資法
- 第4章 「廃屋再生」投資法6つの実例編
- 第5章 ここで差がつく!管理とリフォームの勘所
- 第6章 困った入居者たちへのアプローチ方法
ブログ主の勝手なまとめ
私が不動産投資をするようになったのは、アベノミクスによるじゃぶじゃぶマネーによって、株式が上昇し、その後、少しずつバブル崩壊後に凍り続けていた不動産市場が活気を取り戻した頃だった。
年代で言うと2015年頃。その頃、築古戸建といえばこの人と言える小嶌大介氏が代表的な存在であり、そして関西のメガ大家といえば、岡田のぶゆき氏が楽街や健美家などでサラリーマン向けの不動産投資を指南し始めていた頃である。まだ、カボチャの馬車事件は起きていなかった。
アマゾンでは怒涛の低評価だが、今でも日本の戸建専門投資家は本書を読んでいる
久々に書棚から取り出してレビューを書いてみようかと思って、下調べにアマゾンのレビューを見てみると、とてつもなく酷評レビューが増えていた。だが、着実に中古本の値段が上がっている。

本書の要点を見ていく以下に本書『利回り70%超! 廃屋から始める不動産投資』の要点を箇条書き。
- 関西エリアでの話だが、戸建再生に関しては全国的にOK
- 小嶌氏の面倒な貸主経験談が良い
- 会費1年間40万円の小嶌さんのビンテージクラブの成り立ち(要注意)
- 小嶌氏の脱サラ、家族ぐるみの不動産投資に関して単著より詳しい
小嶌氏と岡田氏は、タイプも経験も全く違う。小嶌氏は独特の泥臭さがあり、岡田氏はブルジョア大阪人という感じの丁寧さがある。
ただ、どちらかといえば本書のメインは小嶌氏。岡田氏はフォロー役と言った感じ。
未来が見えない不動産投資かとして登場する小嶌氏
小嶌氏はまだこの時経験が浅く、融資もほとんど受けたことが無いという感じで綴られている。そのため、築古戸建や貧乏家族による再生エピソード以外は、プロの不動産賃貸業をやっている人からみたら危なっかしい感じの記述も少なく無い。そこへ、岡田氏がフォローを入れる。
岡田氏がどういうフォローをするかというと、不動産業者(仲介・管理会社)との付き合い方を述べつつ、小嶌氏のイレギュラーな業者との付き合い方に対して、注意点を述べていく感じだ。
小嶌氏の苦労エピソードは、いずれも読みごたえがある
個人的な見所は小嶌氏のクレーム貸主エピソードと、何と言っても初期に手がけたスーパーボロボロの100万円と半年をかけた一棟目(中規模アパート)のエピソードだ。
小嶌氏はこの後で出版する単著にも、同じことが書かいているがこちらの方が臨場感がある。この恐怖感を前提に、不動産投資をすればある程度のことが起きても動じない、そんな内容になっている。
小嶌氏はこの後、キラキラ大家に。不動産業界の魑魅魍魎さを知ることもできる
この本の小嶌氏は勢いに乗り始めた頃だった。その後、単著を出して、メディアに頻繁に登場するようになり、ビンテージクラブという高額サロン(入会金は当時40万円だったが今は不明)を運営しつつ、あの悪名高いクラブジャイアン(もふもふ不動産が参加し有名に。主催は木下たかゆき氏)などにも頻繁に参加して、キラキラ大家になっていった。
この書籍は、そんな大御所の小嶌さんの、「あと一歩」を踏めない大家予備軍へ向けた著作だった。
いい意味でも悪い意味でもこの後、彼はこのスタンスではなくなっていく。いろんな意味で、未経験者や経験が浅い方にオススメです。興味深く読めると思う。