株・仮想通貨・FXをやっている人が見るべき映画「マージン・コール」:リーマンショック前夜の証券会社エグゼクティブが行う深夜の密談

投資
映画ジャンル

Margin Call
監督:J・C・チャンダー
脚本:J・C・チャンダー
製作:ロバート・オグデン・バーナム、マイケル・ベナローヤ、ニール・ドッドソン、ザカリー・クイント
製作総指揮:ジョシュア・ブラム、マイケル・コルソ、カーク・ダミコ、カシアン・エルウィズ、ローズ・ガングーザ、アンソニー・グダス、ランディ・マニス、ローラ・レスター
出演者:ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ、ザカリー・クイント、ペン・バッジリー、サイモン・ベイカー、メアリー・マクドネル、デミ・ムーア、スタンリー・トゥッチ
音楽:ネイサン・ラーソン
撮影:フランク・G・デマルコ
編集:ピート・ボドロー
製作会社:ビフォア・ザ・ドア・ピクチャーズ
配給:ロードサイド・アトラクションズ(米)
公開:2011年10月21日(米) 日本未公開
上映時間:109分
製作国:アメリカ合衆国

分かりやすさと、リーマンショック直後の雰囲気がまだ残っている俳優たちの演技など、市場が激変する時特有の空気を再現

 以前、リーマンショックを題材にした映画で「マネー・ショート」を紹介しましたが、「マネー・ショート 」は基本はコメディで、ザッピングという映像ごちゃ混ぜの手法なため、ドキュメンタリー度を極度に減らすという作品でした。それに対して、本作はリーマンショックの臨場感を再現することに努めています。

難しい知識は一切不要。ただし、MBS(不動産担保債権)がヤバイものであったことくらいは知っておいた方がよい。

映画のタイトルである「マージン・コール」とは、信用取引中の商品の損失が過剰に出た場合、証券会社に支払うことになる「追加金」の意味である。この単語がそうだが、金融には難しい専門用語が多く、このジャンルの映画にはなかなか触手が動かないという人も多いのではないでしょうか。しかし、本作はリーマンショック前夜の「人の動き」「心の動き」をテーマにしており、全て目で見てわかるものの迫力で構成されています。ただ、リーマンショックの引き金となった「MBS」の存在くらいは知っておいた方がいいかもしれません。

リーマンショックは、早朝の市場開場時からの大暴落で幕を開けた。当然、多くの関係者は前日にそれを知る。午前2時にヘリコプターで証券会社の取締役が静かに小さな会議室に集結するのは、現実もそうだったはずだと思わせる。

出演者には、ケヴィン・スペイシーやデミ・ムーアなどの往年の著名スターがいます。また、その他の無名俳優も非常に面白い演技をしています。特に若手の3人の新米トレーダーは、これから起きることに一番初めに気がつくのですが、彼らが目にする「エグゼクティブ」への意識の向け方から目が話せません。

超高給のアメリカのエグゼクティブたちが、どんな仕事をしているのかを具体的に見ることができる数少ない映画。異国の責任者像は、結構日本と違います。

私がもっとも興味をそそられたのは、エグゼクティブと言えど、中間管理職に当たる人々の役割。そのポジションに、ケヴィン・スペーシーもデミ・ムーアもいます。彼らは、誰かに指示することもできますが、ちょっとしたことで首を斬られる弱い存在として描かれます。そして上司は彼らのずっと年下だったりします。きっと気になる人も多いのではないでしょうか?

本作は映画監督的に見ても、演出が高度でカメラワークも多彩です。閉所でのドラマがメインであるため、最初は演出のバリエーションも限られているだろうと思っていましたが、そんなことはなく、細かなところで幾度となく、すごいな、と思いました。映像も綺麗で、レンズの使い方のバリエーションも勉強になりました。気になる人は是非見てみてください。

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