検察の隠蔽・もみ消し・捏造を公開。検察の本質を語り尽くす『生涯弁護人 事件ファイル1 村木厚子 小澤一郎 鈴木宗男 三浦和義』弘中 惇一郎

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内容紹介


村木厚子事件(厚労省郵便不正事件)、小澤一郎事件(陸山会政治資金規正法違反事件)、鈴木宗男事件、マクリーン事件、クロマイ・クロロキン薬害訴訟、医療過誤訴訟、三浦和義事件(ロス疑惑)など、日本の戦後刑事司法史に残る大事件を手がけてきた、伝説の弁護士、弘中惇一郎。

「絶対有罪」の窮地から幾度となく無罪判決を勝ち取ってきた「無罪請負人」と呼ばれるその男は、歴史的なそれらの裁判をどのように闘ったのか? 受任の経緯から、鉄壁といわれる特捜検察の立証を突き崩した緻密な検証と巧みな法廷戦術、そして裁判の過程で繰り広げられるスリリングな人間ドラマまで、余すところなく書き尽くす。稀代の弁護士による、法廷を舞台にした唯一無二の思考の指南書にして、類稀なる現代史。

目次

第一章 国策捜査との闘い 
村木厚子事件 
小澤一郎事件 
鈴木宗男事件 

第二章 政治の季節
マクリーン事件
刑事公安事件 

第三章 医療被害と向き合う 
クロマイ・クロロキン事件 
医療過誤事件 

第四章 「悪人」を弁護する 
三浦和義事件

著者について

弘中惇一郎

法律事務所『法律事務所ヒロナカ』創設者。弁護士。

山口県出身。東京大学卒業後、弁護士事務所登録。その後独立。1997年「ミネルバ法律事務所」開設。2004年「法律事務所ヒロナカ」開設。

弁護に関しては、徹底した紹介制でしか受け付けていない。理由は、あまり仕事をたくさんしたくないから。この紹介制というところも、有名人・著名人訴訟の多さに関係している。

弁護人・代理人を務めた人物

安部英 加勢大周 加藤紘一 花田勝 叶姉妹 三浦和義 守屋武昌 小沢一郎 川崎麻世 村上正邦 村木厚子 佐村河内守 中森明菜 中西準子 天羽優子 武井保雄 堀江貴文 麻木久仁子 野村沙知代 矢野絢也 鈴木宗男 東国原英夫 長嶋一茂 木村剛 鳥越俊太郎 高畑裕太 カルロス・ゴーン 秋元司 村上祐子 片山さつき 大石晃子 中島知子

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ブログ主の勝手な感想

著名人訴訟は、七色の武器である

弘中氏がコロナ禍になって仕事がヒマになったということで、本書の執筆はスタートしている。それまで、あまり自分の弁護士人生を振り返るつもりもなかったらしい。

本を読む限り、いかにも全共闘世代的な性格が強い。簡単にいうと、極左的な性格だ。

だが、常に著名人や財界人に興味を持ち、メディアによって悪人に仕立てられた人間ほど弁護をしたくなる、その人との関わりによって真実を知りたくなる、という人間性を持っている。

以下、本書を含めた弘中氏の著書の特徴をリスト化してみる。

  • 有名人は訴訟をされたら終わり、という風潮があるが、それを逆手に取る
  • 国や政府に対する訴訟(刑事訴訟)のコツを網羅してる
  • 検察は極悪人で、近年ますます極悪化が進むという認識
  • 基本的に、働きたくない(興味がないと仕事は受けない)
  • 弁護団の記者会見の効力を、実に有効に使う
  • マスメディアの悪人作りの本質を理解している

裁判における“怖さ”とは何か?

裁判(刑事裁判)の怖さは以下の3点

  • お金がかかりすぎる
  • 時間をコントロールされ、浪費する
  • 国によって捏造される

結論を書いてしまうと、本書は『検察官の犯罪組織性』を解いた書籍である。

そして、どのように検察官が考え、訴訟を捏造して、運用していくのか? を書いている。その反面、検察官が恐れている「自分たちがしくじったらヤバいリスク」も著者は熟知しており、それゆえに、時として極悪検察官との妥協的な交渉もできる「半分悪魔」な側面も持っている(失礼)。

また、弁護士費用に苦しんだ三浦和義(ロス疑惑)などのプライベートな一面も公開しており、そこから見えてくる著名人の訴訟とお金の問題も、結構緻密な情報を開示している。

この検察官(捏造)お金、それに加えて時間稼ぎ(小沢一郎裁判)を加えたものが要するに「訴訟の怖さ」であるというシンプルな考えのもと、本書は書かれている。そのため、一般人が理解しやすい。

ちなみに、小沢一郎裁判がなぜ「時間稼ぎ」かというと、明らかに無罪の人間を訴え続けて、政治家としての60〜70代前半のゴールデンエイジを潰して、裁判の終わる頃にヨボヨボの老人にしてしまおうという計画が、検察側にあったことを本書では書かれている。

この時間を訴訟側が操れる側面も、大きな恐怖と言える。

村木厚子 小澤一郎 鈴木宗男 三浦和義は、完全な無罪

本書は、国民的にはニュース報道によって、極悪人として仕立て上げられたことがある、村木厚子 小澤一郎 鈴木宗男 三浦和義をフューチャーしている。そして、弘中氏としては、この4人ほど明らかに無罪であることも語られており、このギャップが、本書を読む大きな誘導要因となっている。

検察官の“役人マインド”を知ることが、被害を防ぐ唯一の方法

ただ、この回顧録の最大の特徴は、弘中氏の“もっとやれたのに失敗した”という側面と“思わぬところで悪化してしまった”という、貴重な経験を後進に伝えたい、という面がある。

本というのは、著名人の回顧録であれば必ずその筋に詳しい編集者がつくので、この本はその編集者によってだいぶ分かりやすく変換された形跡が見られる。

元々の弘中氏の原稿は、かなり専門的で難しかった可能性が高い。

それを前提として、何を一般読者が読み解くべきかというと、それは刑事事件に関わることになってしまったときに、敵であれ、味方であれ、検察官という人種がどういうスタンスで訴訟に関わってくるか、を知るべきではないかと思う。

例えば、自分の立場が弱く、検察が自分に変わってジャイアン的なスタンスで相手に襲いかかってくれる番犬的な場合は、とても助かる場合がある。だが、そこでもあくまで検察官は、狂った番犬だという前提で付き合わなければ、それはそれで酷いことになる。

そういうのが本書を読むことで、かなり深い理解ができる。

Q:どんな人が読むべきか? A:検察を悪用したい人

A:刑事事件に関わっている検察側の人、刑事事件を起こしたい人

これは非常にうがった味方かもしれない。

それに、弘中氏の当初の“検察の闇を暴きたい”という意志とは、全く逆の、悪用とも呼べる読み方になるのだが、私は一般市民が検察を動かして、自分の目的を果たすための書籍として本書を薦めたい。

なぜから、追われる立場(非検察)の人間の気苦労は深すぎて、それこそ弘中氏のいうとおり闇が深く、時代と共に検察が膨大な隠蔽メソッドを作り出すので、たぶん追いつかない気がする。

正義の味方のために書かれた本だが、私はその点、運用は悪魔的な方向に向いている本だと思う。書院の力はどう考えても、本書を読む限り弱い。正義に向いていない気がする。

それなら……、と私は思ってしまうのでした。

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