残念本。こういう本に注意。見抜きにくいビジネス書籍の駄作対策も解説(ブログ主が)。『複利効果の生活習慣 健康・収入・地位から、自由を得る』ダレン・ハーディ

オーディオブック

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著者紹介

ウィキペディア(英文版)より引用

ダレン・ハーディ(1971〜)

アメリカの作家、基調講演者、アドバイザーであり、SUCCESSマガジン(CD付きの富裕層向け雑誌)の以前の発行者。ハーディはニューヨークタイムズのベストセラーとしての、起業家のジェットコースター、『人生最高の年を生きる(The Entrepreneur Roller Coaster, Living Your Best Year Ever )』『The Compound Effect』を書いている。

25年以上、アメリカ自己啓発業界での活動歴がある。2000以上のテレビ番組、ライブイベント、制作、世界の一流専門家とのプログラムも立ち上げてきた。

起業家としても成功し、27歳で年500万ドルを売り上げる企業のオーナーとなった。

目次

  • はじめに
  • 第1章 複利効果の働き
  • 第2章 選択
  • 第3章 習慣
  • 第4章 勢い
  • 第5章 影響
  • 第6章 加速
  • 結論

ブログ主の勝手なまとめ

時代遅れの本:本書の浅い知識は、もう本から得るものではなくなった

今回私がこの記事で書くことは、自己啓発書籍全般に言えることかもしれない。

本書の書き方は“広く浅いトピックをエッセイ調に羅列する”という書き方をしているが、その書かれた内容の横のつながりがほとんどない。そして、まるで「福利は神のように素晴らしい」という前提で、その知識の裏付けに疑わしいところがあり過ぎて、酷い作りだ。

福利は、健康や地位には適用されない

本書は、努力が関係する全てのものに“福利思考”が通用するという、まるで幻想のような思考に囚われており、それがプチリッチになった著者であるが故に、誰も否定できない、というワナにはまっている。これは、本書を読み進めると、バカのスパイラルみたいな裸の王様状態になっている。

この本の版元のパンローリング株式会社は、経済・ビジネス本を多数出版している会社で、ジェームズ・クリアーの本などの良書を出しているが、とにかく知名度主義で、アメリカで流行っているものならなんでも日本で流行るだろうと考えている節がある。

関連記事:気がつけば凄いことができるようになっている“能力開花”の仕組み『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』

金利が福利をもたらすのは、機械的で無機的な側面であり、それは健康や地位とは関係ない。著者はこの点で、波及効果=福利効果、という大きく致命的な間違いをしている。

例えば、地位というものは、変な噂が立つことで、努力をしていて有効な仕事をし続けていても、消滅したり、負のスパイラルにおちいるものである。これは福利とは全く違うものである。

数字が全く書かれていない:証拠がゼロ

また、経済・ビジネス面として致命的なのは、全て著者の思い出話(自慢話)だけで、時々いいエピソードがあるものの、むしろそれがネックとなって、居酒屋の会話のレベルの本になっている。

つまり、エビデンスが一切ないのである。

それでだけではない。

同じことを、ずっと登場人物を変えて話しているだけなので、本自体の内容自体が全く頭に残らない。この点で、本書はどちらかというと宗教の本に近い。

ビジネス系ユーチューバーの登場で、金の取れない本になった

ただ、一つ言えるのは数年前であれば、この手の本がまだ売れたということだ。

2018年をピークに、この著者は活動を弱体化している(メルマガの廃止など)が、それはおそらく、ウェブで無料で取れる情報が、この本を凌駕したことを意味していると思われる

はっきりって、両学長や高橋ダンでさえ、この本より全然優れている。

ということで、酷評したが本書は金銭を払って読む本ではない。

Q:どういう本を読むべきだったのか?

A:本書は、例えばタイトルや目次、奥付から駄作本と判断したりすることが簡単ではない。それは巧妙な騙し、というわけではなく、著者自身が現代に必要とされない知識を撒き散らしているのに気がついておらず、自信満々な像が一人歩きをしているからというのもある。

だから、私も騙され購入し読んでしまった。

どの本が駄作本だと判別するのは、ビジネス本にとって難しくなるかもしれない

書店でこの本を手に取っていれば、私は数枚めくって、駄作本だとすぐに気がついたと思う。だが、オーディオブックや電子書籍で本書を買う人は、すぐにはその点に気がつかない。

これは今後の私のビジネス本の選び方の課題だと言える。

出版社を信用して本を買ってはいけない

しかし、今回わかったことが一つある。

それは、出版社という「関係代名詞」的な存在を信用して本は買ってはいけないということだろう。

著者を信用することはいい。だが、出版社は信用とは無関係で、部数を稼ぎたいケースがある。

なので、知っている著者の本を買う以外は、できれば最低限のリサーチをするべきだと思う。

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