著者紹介

デイヴ・アスプリー(1972〜)
アメリカ合衆国の起業家、実業家、著述家。
「バレットプルーフ・エグゼクティブ」の創立者でバイオハッカー。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校出身。同校のインターネット・ウェブエンジニアリング・プログラムを運営。これはクラウドコンピューティングの最初期の実装例だと言われている。バターコーヒーを考案しバレットプルーフ・コーヒー(Bulletproof Coffee、日本語では「完全無欠コーヒー」「防弾コーヒー」と呼ばれる)と名付けるなど、2015年に健康・フィットネス分野において世界で最も影響力のある100人のうち第11位に選ばれた。
本書を読むべき人
- 30〜40代のストレスの多い現役世代
- シリコンバレーでどのような考えが流行っていたのかを知りたい人
- 私生活面の満足度が足りないと感じる人
- 頑張り続けるためには、何が必要かを知りたい人
自己啓発の元祖ナポレオン・ヒルの後継的なポジション
関係記事:親族により70年封印。学校・宗教が悪魔の側に立つ事実を証明しながら、性欲の誤った解釈を正し、人生の原動力に変える『悪魔を出し抜け!』ナポレオン・ヒル
本書でも盛んに触れられているが、アスプリー自身、自分を米国歴代最高のビジネス系自己啓発作家のナポレオン・ヒルの後継者的ポジションだと認識しているようだ。実際、彼の書く書籍は、ヒルとの共通項は非常に多い。
しかしながら、見方によっては彼の方がヒル博士より優っている部分がある。それは何かというと、この著者が自分の恥を晒して詳らかにした、米国人が最も気をつけるべき性生活を、超具体的に示したところにある。これは、かなり重要だ(汗)。
ビデオや不倫で性的欲求を満たすことのデメリット
本書を読んで明らかになったのは、米国人の性生活や倫理観が、今、大きく揺れていることだ。彼らは、どの先進国よりも離婚と不倫をしている。しかしそのくせ、統計学的に離婚をしないほうが、幸福度も資産の低減も少ないことを熟知している。
だが、それでも彼らは性欲の誘惑から逃れらない。そして、ウォーレン・バフェットやジェフ・ベソス、ビル・ゲイツなどのトップの成功者でさえ、晩年離婚を経て、資産を減らし、幸福度の低くかったそれまでの人生を露出する羽目になっている。
そのような中で、この本が登場し、多くに読まれているのは、注目に値する。
世界で初めて、性欲の秘密に踏み込んだナポレオン・ヒル
本書がモデルにしているのは、全米の2000人の成功者にインタビューを重ね、『思考は現実化する』『悪魔を出し抜け』という二つの重要な書籍を書いたナポレオン・ヒルである。
同書では、アプスリーも同様の手法を取り、シリコンバレーの数えきれない成功者にインタビューを重ねている。その数は、3年間の執筆期間の1000日の2〜3日に1人にインタビューをしている、という記述から計算するに、400人前後である。
ナポレオン・ヒルは20年間で2000人だったので、人数こそ少ないが、ペース的には相当ハイペースで、その分、この5年間くらいのシリコンバレーの内情がぎゅっと凝縮されているのが窺い知れる。そこから、現代版のナポレオン・ヒル的な大ヒットをした理由が読み取れる。
成功にベストなのは30日に1度の精射。ダメなら7日に一度
アプスリーは、本書中盤で、“ここから先はあからさますぎて読みたくない人は読むな!!”、といいながら、自身の経験とシリコンバレーでのリサーチ結果によるベストな性生活と、その手順、エビデンスについて、本書の多くを割いている。分厚い本なのに凄い量である。そして、ここが本書の最大の魅力であり買いどころなのは間違いない。
これは流石に私にも大いに役にたった。
精衝動は、人間の成功に欠かせない必要要素であることは先にも触れた。これは、世では話さないようにしているが、ほぼ間違いない事実である。実際、私の周りの成功者(実業界の社長:私は東証一部の社長たちにインタビューする仕事をしている)や映画業界関連の出世者にも、物凄く共通している。そして、この本はその具体的なアメリカ版の内情も、実に細かく書いている。
極め付けは、それらのインタビュー経験から著者が導き出して、そして自分で考案して試したそのメソッドだ。これは凄いし、私も現在試している最中だが、多分正しい。ここは、ブログには書けないので、是非とも本書を買って読んで、じっくり見て欲しいものだ。
成功と幸せのために、他のパートナーとのセックスを許す
また、著者は夫婦の倫理観にも、新しい見解を示している。
それは、不倫は悪くない、そこで別れるべきではない、という視点だ。
結婚してセックスを繰り返し、子供ができて、いずれはお互いの性生活がなくなっていくのは、当たり前で、そこから逃れられるカップルなど一人もいないという、これまでは言ってはいけなかった事実を、彼は堂々と書いた、そして、その合間に訪れる、倦怠期からの不倫は、認めるべきという考えを示した。最初の結婚は、尊いもので、それを不倫したからといって捨てるべきではない、と彼は語るのだ。
一生頑張り続けるために。幸せを犠牲にはしない
不倫は頑張るための精神栄養剤である。男も女も本当はそうなのだ。
先に述べた、ウォーレン・バフェットやジェフ・ベソス、ビル・ゲイツなどの全米・全世界ビッグ3でさえ、そこを誤ったのだから、もうそれは罪ではないと考えよう、そうでなければ、世の中に成功なんて存在しない、と彼は書いたのだ。これは売れて当然だ。
そのほかにも、同書では、さまざまな切り口で、アメリカ人がベストを尽くし続ける必要性とその意義やそのための具体的な食事・フィットネスの話を盛り込んでいる。
現代人のハッピーとは何か? 久々に考えさせられた本だった。
以上である。もし、気になったら、読んでみるといいかもしれない。