著者紹介

西村ゆか(1978〜)
ウェブデザイナー、作家。2014年に西村博之氏と結婚。インターキュー株式会社(現GMOインターネット株式会社)やヤフー株式会社などに勤務。現在はフランスに移住。
出版社紹介内容(書誌情報)
論破王、家では宇宙人!?
掲示板管理人・ひろゆきの日常を妻が赤裸々に描く脱力系4コマ。「ギャップありすぎ」とツイッターで話題沸騰のウェブ漫画が待望の書籍化。
・かきおろし30ページ!
・ひろゆきの罰ゲーム夫婦対談・結婚式にまつわるおまけエッセイ
+結婚式カラー写真など特別コンテンツをてんこもりで収載予定。
見どころ抜き出し(ブログ主の偏見で)
- 海外移住はひろゆきから切り出され、国(フランス)は妻(ゆか)が決めた
- ひろゆきは、かなり昔から株取引をしている(優待株メイン)
- 妻とは性格が合わないので、ひろゆきは宇宙語を話すようになった
- 妻とは2003年にmixiで知り合い、2004年頃初めて対面した
- ひろゆきは、交際がmixiスタートであることを隠したがっている
- ひろゆきは、ゆかさんの個人情報を調べ上げ、積極的にコンタクトした
- 出会いから結婚までの流れが妻目線で描かれている(おそらく事実)
- 自宅に東北の県警が訪れ、その間、ひろゆきは不在だった(逃げ切った)
- お得な商品購入詐欺に、ひろゆきも時々あう
- 総じて、ひろゆきは妻目線だと、かなりの嘘つきである
ひろゆきには都合悪い情報満載
基本的に、本書のことはひろゆきは事実ではないと否認しているらしい。
だが、誰の目から見てもひろゆきのコメントはおかしい。重要なのは妻が全て事実だと思って書いていることだ。おそらく全部事実だろう。妻は嘘を言う必要がないが、ひろゆきはありすぎる。
私が上記にリスト化して書き出したのは、主にひろゆきだったら都合が悪いと思う内容である。
例えば、ひろゆきのライブを見る限り、彼は自分のお金の流れには細心の注意を払っている。だが、妻が、あっさりひろゆきが常日頃からさんざん馬鹿にしている優待株を大量に持っていることが明かされる。しかも、随分から前である(スターバックスの優待は、2014年から廃止)
ただ、それでも基本は二人の生活を暴露するものではない。
どちらかと言うと、世の格差がある夫婦関係を面白おかしく書いた作品だ。コメディ漫画で、いわゆる『だめんずウォーカー』的な夫・彼氏のほのぼの系の四コマ漫画といっていい。
本書から読み取れる西村夫婦の実態
それでも本書を読者は、二人のプライバシーを知りたくてほとんどが購入するだろう。
その点は、ある程度期待に応えてくれている。日常を記述しているだけあって、細部に夫婦の力関係というか、生活の基盤が見えてくる。付き合うようになってから18年経っているため、西村博之氏の交友関係もそれなりに開陳されている。
本書から私が勝手に読み取った内容は以下の通り
- 夫婦の財布は別々(妻は、ひろゆきの財産を把握していない)
- 日常の生活費は、基本ひろゆき持ちである
- 海外生活のきっかけは、どうやら、ひろゆき側にある
- 子供を作るつもりはないスタンス
それ以外にも読む人によって、それなりにひろゆきの情報を読み取れる内容になっていると思う。
Q:読むべき人はどんな人か?
A:夫婦で格差がある人は、非常に参考になると思う。
特に、西村ゆか氏の語る「西村博之」像が、さまざまな夫婦格差問題を物語っているように思える。もちろん、ゆか氏本人はあまり意識的に書いてはいない。どちらかと言うと、ひろゆきが、何かをやめたり、しない、ということで、いろんなものを表現するタイプの人間だというのがわかる。
特に、西村博之氏の宇宙語に関しては明確だと思う。これは男なら簡単にわかる。
- 家にいるのに、物音を出さないと怒っているように見える
- 女性は話しかけないことを気にして、それによって性格が変わる
- 性格が違いすぎるので、音は出してもコミニュケーションが空白なのが理想
- 曖昧な言い方がしやすい(彼が曖昧ではないから、強制的にそうする必要がある)
本書は、ひろゆき氏を「宇宙人」と銘打っているが、案外、男性ならすぐさま「なんでそんなことをやっているのか」がわかる。
男性側は「ひろゆき氏の隠れた日常・性格」がすぐわかるのだ。
Q:西村博之の情報をどのくらい妻は共有しているのか、がおそらく本書を読む多くの知りたいところだが、どうか?
A:それに関しては、かなり強固にシャットアウトされていると感じた。
本書を手に取ろうとする人のほとんどは、ひろゆきの夫婦生活よりも、ひろゆきのプライベートが知りたい人間が大半だとは思う。
だが、そこに過度に期待して読むものではない。第一、四コマ漫画だ。
どちらかというと、自分の今後の夫婦生活に、何か利用できるところはないか、的な読み方が最適だと思う。それだけ、世の夫婦に起きているだろうトピックが多い。
(本ブログではあくまで、検索性を上げるために、ひろゆきのプライバシーに焦点を当てて、書き出してはいるが、実際はかなりオーソドックスな四コマです)
有名人の妻は、夫と一時期でもいいので同列に扱われたいと考えることが多い
私の経験から言えることは、本書の最大のポイントは、西村ゆか氏に「夫と格差があり続けるのは嫌だ」という感情が、少なからずあると言うことだ。本書出すことで、圧倒的にランクが上の西村ひろゆきと、少しの間だけ、縮まる(けどランクは下)期間ができる。
私は、映画監督という特性上、有名俳優やメディアの人間と仕事をすることが多い。そこからいろいろ考えさせられる感じで、本作を読ませてもらった。
同業者の知り合いに関していろいろ考えてみると、夫婦の片方が超有名で、どちらかがそれを一方的に支える、というのをよく見ている方だと思う。私自身も、私の方が妻よりも有名だ。
そんな夫婦の最大の軋轢の原因となるのは、やはり、格差ランクの逆転がなかなか起きない、ということに尽きる。これは表面化しにくいが、絶対ほどんどの夫婦で起きている問題だ。
もちろん、長嶋茂雄と長嶋亜希子のように、ずっと妻が影で支えるケースもあるが、案外、このバランスで苦しみ、片方が悲鳴を上げて、結婚生活が破綻するケースが少なくないのだ。
ひろゆきは、格差ギャップを埋めるテクニックに、結構苦労している印象
西村ゆか氏は、本書を刊行して以来、結構積極的にメディアに出ている。
通常、本を出した直後は、確かに出版社の編集者がそのような行動を著者に促すケースはある。だが、彼女の出方を考えると、やりすぎ感は否めない。やはりひろゆきとの関係で、一度は自分もメディアに出る必要がある、と判断して行っているのは、明確だと思う。
そんな彼女との共演を、ひろゆきは頑なに避けている。いつかは共演するかもしれないが、だが、彼の中では、妻の願望にある程度、展望がついているのではないだろうか?
この本が出ることで、一方的にリスクに晒されるのはひろゆき氏だ。そういう意味で、今後二人の夫婦関係は徐々に変わっていくのではないかと思う。
うまくいくかもしれないし、急転悪化するかもしれない。
その辺を、あーだこーだ考えながら読むと、面白いと思う。