私がURを3カ月で退去した理由。URを取り巻く、住環境としてのリアルについて

雑感

URリノベ物件の罠について考える記事

ブログの更新がここ3カ月途絶えていました。

その理由は、私たち家族が子供の出産を期に、少し広めな住居を探すべく、マンションの売却と購入をしようと考えたから。しかし、売却はできたものの購入までは、時間切れでできず、その代案として近所のURに引っ越す、という選択をしたからだです。

もっというと、私たち家族は引っ越したURで、実は古い大規模公団に住むリスクを突きつけられて苦悶していました。これが思いの外つらかった。それで、ブログを書く気になれませんでした。

私がURに引っ越して3カ月過ごしてわかった真実を書いていく

スペック

URの売りポイント

  • 礼金なし
  • 審査条件の甘さ(大金を積めば100%入居可能:10ヶ月入金など)
  • 退去のしやすさ(敷金の割戻が親切)

個別スペック

私たちの住む側のスペック

  • 夫40代・妻40代・子供1歳
  • 世帯年収550〜600万円(妻は休職中のため収入なし)
  • 以前の住居は54m2の築25年のマンション
  • 買い替えの60〜70m2のマンションを探している状態
  • 妻はURのおしゃれなイメージに当初喜んでいた(がその後激変した)

選んだ住宅のスペック

  • 東京23区内 築48年・2DK49平米 家賃83,000円
  • スキップフロア(10階建に、エレベーターの停止位置が5箇所しかない)
  • 最寄り駅から徒歩23分ゾーン
  • 敷地内に病院・スーパー・児童館あり
  • 保育園まで徒歩1分
  • 約1500世帯数(ほとんどが10〜12階建て)

入居前に気づいたこと

  • URの職員に、明らかにノルマを意識している強引な営業する人がいた
  • 極端に少ない人員で、大規模URの修繕管理をしており、手が足りていない
  • 常に、工務店の車が常駐しており、修繕が立て込んでいる
  • 民間の賃貸物件に合わせて、エアコンなどの設備導入をしてきた
  • 孤独死の数を裏でこっそり開示している(2ヶ月弱で2件ほど)

入居後に気づいたこと

  • 住居の値上げを検討しているができていない(エリア担当談)
  • 住民同士で組合を作り、URサイドの値上げに抵抗している気配がある(勧誘で知る)
  • すぐ入ってすぐ出ていく人が案外多い(特に高層階)
  • 遠方からの初回の引越しに使われることが多い(深夜の荷物積み下ろしが多い)

URの住民分析

この記事では、何もURの悪口を書くつもりではない。

URは、退去した私から見ても、明らかに民間の賃貸よりもいい点が多いのは、間違いないと言える。だが、世間で語られないリスクや謎が多いのも事実。それらはググっても見つからない。

その見つからない理由は、おそらく高齢者が多いのと、メディア発信に興味を持てない層が住んでいることが原因だろう。特に大谷田団地は、老齢夫婦とシングルマザー、低所得者家族、外国人(インド・中国)が多かった。

だが、その反面、駐車場には何故かベンツ、フェラーリ、ポルシェからトヨタや日産の高級車、風呂付きキャンピングカーなども多く、高収入の独身者で、住居費にこだわらないが、リッチな生活をしたい、という人種も多くいた。以下に入居者のスペックをまとめてみる。

入居者スペック(私の個人調べ)

ポジティブ
  • 外国人子育て世帯の仮住まい率が高い(明らかにいい仕事をしている)
  • 子育てにお金をかけている外国人が多い
  • 単身者で広めの家に住みたい人も多い
  • 小さい子供が多い
  • おそらく全共闘世代の活発な活動家のリタイア世代が多い(助け合う)
ネガティブ
  • 足が不自由な高齢者が意外に多く、生活不便さが心配になった
  • 日本人は部屋数に対して、子供数が多い家庭が目立つ(2DKで子供2人以上など)
  • 中学生・高校生がいない
  • 巨大コミュニティだが、明らかに人員構成に偏りがある

私が退去を考えた原因の自己分析

次から、いよいよ本題に入っていく。

このブログに辿り着いた人が気にしているであろう、私が短期間で退去した理由についてだ。だが、ぶっちゃけ思った以上にいい中古マンションが見つかったというのもある。

とはいえ、私は妻が気に入ってくれていたので、URに別に長く住んでもいいかな、とも思っていた。しかし、その妻も実際住んでみて、徐々にURに疑念を持つようになり、今回の退去へとつながった。

URの最大の功罪とは、広告のダマしにある

ごくわずかの新しい物件を使って、大半の老齢物件(50年周辺)を契約させるスタイル

例えば、このCMを見てほしい。

この撮影地のコンフォール松原は、2018年に建て替えしたURの中でも指折りの新規物件である。

関連記事:コンフォール松原における建替事業

このようなURの中でもごくわずかな建て替え新規物件を利用して、イメージ広告を打ち、あたかも老齢物件リノベーションで生まれ変わるがのごとく、契約させているのがURだと言える。

例えば、私の住んでいた足立区では、10つほどのUR団地があるが、2010年代以降に建て替えをしたのは、パークタウン東綾瀬のみである。そして他のほとんどが築40年をゆうに超える。

また、新規建て替え物件は、賃料もかなり割高で、同等の民間の賃貸物件と同等かそれ以上のケースが少なくない。

新しい物件例 2014年に建て替えをした物件「パークタウン東綾瀬」
古い物件例 1974年に建てられた「大谷田団地」

外観から見分けづらいURの新規物件と老齢物件の差異:フラットデザインの罠

言葉が悪いかもしれない。それに、実際に、老齢物件をわずかにある新しい物件のイメージを使って、契約させるのは、サステナブルな産業としては、経済対策として利にはかなっている。

だが、それでもあえて、住む側への注意喚起として私が伝えたのは、この見出しだ。

URの物件は、その世間体を気にするURの運営会社である独立行政法人都市再生機構の意向によって、保守的なデザインを採用しているのだろう。ここも、契約者の一つの罠ポイントとなる。

通常は古い物件と新しい物件のデザインは、外観より素人でも気が付く。だが、それが起きにくいのだ。これが、回り回って先にも述べた広告のイメージ戦略として作用してしまう。

実体験:いつまでも修繕をしてくれない・生活音が思った以上に辛い・冷暖房問題

URの利点としてあるのが、管理人が常駐していることなのだが、そこにもある種の罠があった。それは、人手が足りていない。ということだ。また、全員ではないが、一部の営業マン(多くは女性)が、ノルマに縛られており、契約以外のメンテナンスやアフターフォローに手が回っていない。

入居当日に起こった出来事

私の場合、団地で入居初日に驚くべき不具合が生じた。それは以下の通りだ。

  • 洗濯槽の配管が完全に塞がり、水が流れない
  • 玄関ドアが閉まらない(力一杯引くと「ドカン」といってようやく閉まる)
  • 浴室の窓が、錆びてくっつき、完全に開かない

これらは、入居当日に管理人室に書面にて修理依頼をしたが、配管以外は退去まで対応してもらえることはなかった。しかも何度か管理人室に問い合わせているのに。

入居後しばらくして、エアコンが追加できない構造だと知り、絶望する

また、私が選んだ団地は古いが故に苦しむことになったエアコン問題もあげておきたい。

通常、URの私の選んだ団地は、部屋数に関係なく、1台だけエアコンがついている。そして、1台だけでは、到底冬と夏を乗り切ることはできない。それゆえに、当初私は入居後にエアコンを、赤ちゃんの部屋に追加する予定でいた。だが、その依頼書を書きに行った時、言われたのだ。

「この部屋は、構造上エアコンが追加できません」

入居するときに、エアコンの追加の説明をあれだけ時間をかけて話していたのに……。

これに関しては、URにおしゃれでキラキラしたイメージを持っていた妻が、「もう限界かも……」と漏らした。春だったが、ちょっとでも暖かくなると、すでにエアコンが限界だったので、焦りが募った。

私はこの件を期に、マジ本気で新居を探しを再開したのは想像に難くないだろう

問題のある間取り:事故が多発

物入れの扉が同時に引き戸になっているタイプ

赤ちゃんが挟まったり、家族の誰かが手が挟めやすい間取り

たまたま私が選んだ物件が、物入れの扉が同時に和室の扉にもなっているタイプのものだった。

他の物件は収納が少なく、しょうがなくこの物件を選んだ。その結果が地獄だった。物出せば、知らないうちに誰かが引き戸に挟まっていることもあり、また、この間取りは子供にも思った以上に危険だった。

多くのURで採用されている引き戸というものは、何よりも小さな子供が開け閉めしやすく、素材も軽い。その点で、どんな間取りであってもリスクが高い。

ベビーゲートを襖(ふすま)に設置したり、狭いトイレなど
子供にとって危険な洗濯機や風呂場を堰き止めるために、しょうがなく襖に設置したベビーゲート
和式を様式にリノベし、さらに個人負担で温水式便器をつけたトイレ。狭すぎて足腰に問題のない夫婦でも、転倒して怪我することがあった。ドアの収納部分が、尖った金属の空き缶のような作りに合っているのもポイント。

その他にも、間取りがもたらす災厄が多数あった。

写真も載せているが、間仕切りを柔らかくて軽い素材のふすまを多く採用しているURの問題として、ベビーゲートの設置の困難さが挙げられる。

また、年代的に和式から洋式へと変更したトイレも、問題があった。和式は入ってしゃがむだけなので動線が少ないが、様式は座るアクションやレバーを引く動作が必然となる。

そのため、特に足腰に問題がない40代の我が夫婦でもトイレで転倒し、頭を打つなどの怪我があった。なれていないのもあるかもしれないが、それでもこれでは来客などに支障が出る。

その後、引越し直前まで大量のゴキブリの幼虫が発生し続ける

夏まで入居していたら、と思うゾッとする出来事もあった

ある日を境に、子供が壁や床を指をさして「アーアー」いうことが急に増えた。

そして、その理由が虫の死骸であることに気がつくと、部屋中に大量の虫の死骸があることに妻も私も気がついていった。目線が低い子供ならではの指摘だ。

虫の死骸の数が増え、成長して死んだものが増え始める。そこからわかったのが、それらがどうやら全部ゴキブリの幼虫の死骸かもしれないということだった。

もう次の物件が決まり始めていたころだったので、私を含め家族は平静を装っていたが、それがなければおそらくは限界を通り越していたに違いない。

古い物件に住むということのリスク

以上が、私が持っているURに関する知識と体験だ。

私は思う。

できたら、この記事に書いてあることくらいの想定はせめて知ってから、UR賃貸を選んでほしい。若かったり、老齢であれば、我慢できることも多いだろう。だが、子育て期は別だ。

しかし、住んでから気が付くことが多すぎる。内見では古い物件のエラーを見抜くことはできない。

ゆえに、子育て世帯には私はどうにかして、いい選択としてのUR住まいを選んでほしいなと思う。そのためには、ここにある知識とちょっとしたカラクリ(広告)を読み解く能力が必要で、やや危険かもしれないがその知識をシェアしたいと私は思うのである。

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