税務署員のノルマ、マイクロ法人による無税など。最も危ない知的防衛論『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』橘 玲

投資

著者紹介

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橘 玲

日本の男性作家(1959〜)。本名は非公開。早稲田大学文学部ロシア文学科を卒業。元・宝島社の編集者で雑誌『宝島30』2代目編集長。経済書籍での脅威のベストセラー出版率を誇る。

本書を読むべき人

  • 大村○次郎などのインチキ知識ではなく、本当に税金を減らしたい人
  • 自営業などで将来が不安な人
  • サラリーマンだが、副業・投資を始めたい人
  • マイクロ法人の作り方を手取り足取り教えてもらいたい人
  • マイクロ法人の税逃れまでの実際的なロードマップを知りたい人

著者がペンネームで顔も公表できない理由となった本

本書は、2002年に著者がデビューした書籍で、最近になって法律面や税制面の改正に対応して新版が発行された。いわゆる改訂本である。

しかし読んでみるとその内容の恐ろしさに驚愕する。彼が戦っているのは、紛れもなく国家であり、厚生省であり、国税である。ここから、リベ大の両学長といった覆面経済系ユーチューバーなどの後進の経済系著名人を輩出したのは、明らかである。

橘氏は、この本の出版によって世の中に多くの、知られては困る情報を暴露した。これは匿名でしかできないことだ。本書を読むと、彼は一生涯、匿名作家のままだろうということがわかる。

保険・株・不動産投資で騙す人を解説

冒頭では、実は明確な答えが存在し、バブル後のデフレによって産業自体がほぼ詐欺化してしまって久しい保険・株・不動産業界について触れている。ここで語られる真実は、著者が提示するエビデンスもさることながら、感覚的にも世の中のほとんどの情報が詐欺だというのがわかる。

保険は、割戻金があり、年齢による価格上昇もない共済が実質800円〜1000円程度の掛け金で、民間保険の2500円から35000円程度のものより優れているのは、紛れもない事実で、それがコロナ禍でも実証された(Twitterなどで検索すると一目瞭然だ)。共済一択なのだ(40歳以上は特に)

また、株に関してはインでクスファンドが経学的にどんなアクティブファンドよりも長期間において優勢であることが証明され、実際の運用においてもここ20年近く、その通りになっている。つまり、インデックスファンドの登場で、トレーダーやアナリストの必然性はほとんど無くなった。

不動産に関しても豊富に書かれている。ここでは触れない。

税金を合法的に1円も払わない:マイクロ法人

本書の一番の功績は、この政府が潰せない『マイクロ法人』という最強の保険・年金・税金対策を世に知らしめたことだろう。現在は、いくつかの書籍でもこの手法に触れられているが、本書ほどのレベルのものは、私の知る限り存在していない。

サラリーマン生涯賃金2億5千万円のうち税金は1億円

これらの情報をなぜ、著者が決死の思いで伝えようとしたのか? その答えは、政府が様々な巧妙な印象操作によって隠している、サラリーマン生涯賃金2億五千万円のうち、1億円が税金に該当するという事実を、著者が知ったからだ。

私たちは、この恐ろしい事実を目の当たりにしてしまうと、前向きに生きていくのを放棄せざるおえない。しかしながら、本書を読むことによってここから、どうにかスタートするメンタルをなんとか獲得できる。

税務署員のノルマ性を詳細に暴露。赤字法人は対象外

本書では、国の立場に立って書かれたトピックもある。

それは、税務署員の話題だ。本書が刊行されてから、ほぼ初めてと言っていい、ノルマ制の税務署員の実態が世に出された。しかも、面白いことに、内容的には、税務署従業員の立場にあって、労苦を労う形で執筆されている(笑)。そこから見えるのは、思考停止したノルマ人間が、苦しみと恐怖を抱えながら、一般人に襲いかかる姿である。

私が知る限り、この事実を書こうとした実名の作家たちは、その後ほとんど税務監査が入ったり、裁判沙汰になってひどい目にあっている。これは、現実の人間には絶対できない行為だったのだ。

税逃れ=本物の黄金の羽

本書の本のデザイン、体裁は、まるでキラキラした金儲けの方法を伝授します、的なスタイルで作られている。しかしがら、読むと、そのギャップに驚くことになる。まるで洗礼だ。できるだけ早いうちに本書を読むことをお勧めする。

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