空室対策はクソだが、不払い・夜逃げに関する、ものすごい裏技が書かれた本『空室対策のすごい技』 日本不動産コミュニティー・浦田 健・J-REC

投資

著者紹介

【経歴】
明治大学商学部卒。過去70億円以上を超える投資・建築企画に携わる他、「アパ・マン経営を成功させる会」を主宰し数多くの会員に経営指導を行っている。

2005年に低価格でできる「売れる戸建賃貸」を開発。そのノウハウを公開した「戸建賃貸運用法」(ダイヤモンド社)がベストセラーとなり業界に戸建賃貸ブームを起こす。

目次など

空室対策のための、すぐにマネできる実践的なノウハウが66例紹介。
これからますます増える空室に悩む大家さんにとって本です。

目次の一部

  • なぜ、あなたのアパート・マンションは空室だらけなのか?
  • 小予算でおしゃれ究極のときめきリフォーム
  • 一瞬で入居者の心をつかむ究極の募集戦略
  • 内見時の成約率を飛躍的にアップさせる方法
  • 入居者に長く住んでもらうための工夫
  • サバイバル時代の自主管理ノウハウ
  • 全国完全網羅!賃貸経営の地域別傾向と対策

ブログ主の勝手なまとめ

ユーチューバーとしては、経済予測を外しまくりで有名な著者の本だが……

今回は久々に不動産の書籍の紹介をしてみたいと思う。

私自身、不動産オーナーでもあるからだ。

で、今回は、ユーチューバーとして活動しているが、コロナショックの暴落で二番底がくるから買うな!と言ったり、円安、ウクライナ戦争のネタなので大きく外しまくっているアオリ系ユーチューバー浦田健氏の本を紹介したいと思う。厳密には、彼が中心で何人かで書かれている本ではあるが。

一見駄作に見える想定だが、他で書かれない“夜逃げ” “踏み倒し”のことが載っている

この本のタイトルをそのまま信じて買うとクソ本の部類に入る。

なぜなら、不動産を運営している人ならむしろ知らない人はいない空室対策の結構定番(陳腐)のことを書いていたり、過剰な努力主義でとうてい現実味がないことを書いていたりする。
私の個人的な印象として、購入者の5割が途中で捨てる本ではないかと思う。このように、一瞬駄本かなあと思ったが、だが本書は、後半とてつもないことすごいことが書いている。

以下、特に後半部分の特徴

  • 夜逃げ対策の最短解決法(法律的にグレーだが実効性高い)を掲載
  • 滞納対策あるいは諦め方が非常に参考になる
  • 20年以上のキャリアを想定した、不動産賃貸管理の業務の風速・圧力がわかる

不払い・夜逃げで、不動産オーナーは簡単・一瞬に借金王になる

浦田健氏は、大家検定や古家再生推進協議会を構成するJ-RECという団体に所属している。ほぼ全員が宅建免許を取得している熟成大家集団(ということになっている)である。

二代目大家も多く、代々ノウハウを叩き込まれた、やるきのある有識者が集っている比較的珍しいタイプの団体だ。

不動産オーナーの会は、日本各地で実にたくさん作られており、珍しくない。だが、ほとんどが詐欺的集団となって、初心者やはたまた上級者でさえ、騙されて搾取されているケースが少なくない。

その中で、このJ-RECは、割とまともな部類に見える(実態は知らない)。

そんな彼ら熟成集団でも、結局、不払い・夜逃げが怖い。

なぜなら、これらの被害は10〜20パーセントの利回りを多大なレバレッジでどうにか食い繋いである不動産投資家にとって、軽く1000%〜4000%程度の被害をもたらすからだ。

対処できると豪語する弁護士は多いが、実際はほとんど無能

不払い・夜逃げは法的にはどうなのか?

確かに、法的には対処できなくはないし、実務的にきちんと処理できる弁護士はいることにはいるが、私の肌感覚で言うとその弁護士の割合は5000人に2〜3人程度だと思う。

この不動産投資:三大アクシデントは、たいていの場合、借り手(ユーザー・借金をふっかけてきた側)が強く追跡や取り立て、立退きなども容易にできない。ましてや、SDGsが声高になっている現代では、昔のような強制執行をするのは難しいし、そもそも国の組織がやりたがらない・認めたがらない・許可したがらない。

ことが起きたら泣き寝入りするのが85%くらいだというのが、現実だ。そして、その金額によっては、すぐさま不動産投資業界から撤退せざるおえないケースも少なくない。

そんな不動産投資:三大アクシデントに関して、本書では“なぜか重要トピックを扱う”と言うよりは“おまけのコラム”みたいな感じで後半に、まとめられている。ここだけで、書籍大の数倍の価値は間違いなくあるのに、である。

書かれた時期は古い。だが、法律も変わっていないので、今でも使える

本書が書かれたのは2012年であり、内容面ではかなり東日本大震災の影響を受けており、今ではあまり通じないものもあるといえばある。

ただ、大家業務の最大のトラブルである不払い・夜逃げに関しての非常に重要で、実用性のある事例が書かれていることを、くどいが強調しておきたい。

おそらく、本を作ったご本人たちはそれらが「空室対策」ではないため、いまいち自信を持ててプッシュできなかったのだろう。

最後に、本書収録の「夜逃げ対処法」の一例を載せる

最後に証拠と言ってはなんだが、本書収録の「夜逃げ対策」の実例に触れてから終わろうと思う。

通常、夜逃げは部屋の再賃貸化に正規の方法だと一年近くかかる
だが、それに対する裏技が本書では書かれている。それは何かというと、督促状を作る過程で用いられる裏技である。それを使えば、一年が、たったの三ヶ月に短縮できる。

現在、中古本が高額化している。早めに手に入れるべき

時間がかなり経っている書籍なので、当初はAmazonなどで1円本がたくさんあった。

しかし、最近見たらだいぶ出品数が少なくなり高額化している。

早めに手に入れた方がいいと思う。これは不動産大家として必読の部類に入る名著である。

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