自分らの内向き・外向きを分析し、意思力の負荷を無くす。驚き・発見のある本『やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~』

オーディオブック

著者紹介

ハイディ・グラント・ハルバーソン
モチベーションと目標達成の分野の第一人者。社会心理学者。コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長。「ハーバード・ビジネス・レビュー」「ハフィントンポスト」「サイコロジー・トゥデイ」「フォーブス」などへの寄稿多数。本書のほか『やり抜く人の9つの習慣』(ディスカヴァー)『だれもわかってくれない』(早川書房)などのベストセラーがある。

意思力を使わずに自分を動かすなんてさあ、
またまたー、そんなことなんかあるわけないでしょ。
ハッタリ系の書籍の紹介?

PIT監督
PIT監督

僕も最初そう思ったんだけどね。
でも読んでみて考えが変わったよ

えー、ほんと?

なるほど、と思えたところ 1例「証明型」「習得型」

正直、本書のタイトル『やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~』は、少々ハッタリを聴かせすぎだと思う。だが、読んでみて結構納得する部分はあった。その一例を挙げていく。

努力のモチベーションの種類「証明型」「習得型」

本書は、とにかく自分の中にある意思決定プロセスの「マインド」「感覚」を細分化していく。その中で、人のモチベーションは「証明型」「習得型」の2種類に分けられると言うものがあった。

「証明型」自分の存在を世に示すために頑張る

「証明型」とはエリートタイプに多い
大学入試や受賞歴、ネームバリュー構築のために努力をしたがる人間のことである。
世間的に悪く言われる場合が多い。なぜなら、目的や可能性を失った時にストップしたり、周りに迷惑をかける人間が多いからだ。だが、著者が言うには誰の中にもこの「証明型」の性質が存在している。それを否定しないで、どの分野で自分が「証明型」なのかを把握することが大事だと言う。

「取得型」ペースが遅くても、やる事自体が楽しく、新たな自分を発見する事に意味を見出す

「証明型」の対局に位置するのが「取得型」である
「取得型」は、亀のように鈍くても手順を守り、結果が出なくても頑張る。自分がどのくらい成長したと思えるかが大切である。このタイプはバカにされても気にしない。そして、結果を出し始めると「証明型」よりも遥かに凄いゾーンに辿り着くケースがある。もちろん、この性質も人間の性格としてではなく、特定の好みによって、個人の体の中にあったりなかったりするものである。

YouTube、Googleなどのテクノロジー企業で、デザイナーとして「時間」を再設計するミッションに没頭してきた。GVのデザインパートナーを経て、現在は「ウォール・ストリート・ジャーナル」「タイム」「ハーバード・ビジネス・レビュー」「WIRED」他で執筆。ハーバード大学、IDEOなどの舞台に100回以上にわたって登壇するなど、スピーカーとしても活躍している。

目標に合わせ「証明型」「取得型」を選ぶ、途中で切り替える

この「証明型」「取得型」が自分がこれから実現しようとしている目的に対して、どちらかを判別することで何がわかるかと言うと「自分が諦めたり、サボったりするポイント」がわかるのだと言う。

例えば、野球選手になりたい、と考えた時、ピッチングは打たれまくっても投げること自体が楽しい、バッティングは打てないとつまらない、と感じた時、ピッチング=「取得型」、バッティング=「証明型」だと感じる人間性を自分は持っている、とわかる。

逆に、素振りやトスバッティングなどのバットを振る練習が楽しい=「取得型」0点に抑えても思うような投球ができなければつまらない=「証明型」というケースもある。

これらの要素を踏まえ、自分はバッターをやるべきか、ピッチャーをやるべきか、はたまた両方を組み替えながらやっていくべきかを選択する、これが本書の考え方である。

他にも多種多様な「意思力削減方法」が掲載されている

この他にも、ポジティブシンキングのメリット・デメリット、ネガティブシンキングのメリット・デメリットなどに加え、リスクを好んで頑張る「獲得型」やみんなが失敗しているときに結果を出しやすい「防御型」といった、さまざまなバリエーションも本書では紹介されている。

これらの知識を取得して、できるだけ正しい判断を行えれば、確かに本書のハッタリのサブタイトルである『やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~』は実現できる。
もし、興味を持った方は、是非とも本書を手に取って欲しい。

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