賃貸から売買物件まで。不動産価格の評価基準を手軽に学ぶ『儲かる不動産投資は、地図から探せ!』伊藤邦生

投資

著者紹介

伊藤 邦生(いとう くにお)

ゴールドスワンキャピタル株式会社代表。

1976年生まれ。兵庫県神戸市出身。京都大学大学院理学部物理学研究科修了。
野村證券に11年間勤務。日本国債、ジャンク債、外債、債券デリバティブなどの債券トレーディング業務を担当する。
その後、不安定な企業にしがみつくサラリーマンの生き方に危機意識を持ち、独立。サラリーマンに不動産投資で安定収入を得る方法を指南。すでに多数の成功者を輩出。自身も地方で収益物件を3年間に5棟、6億円分購入し、不動産から月200万円の収入が得られるようになる。

要点を箇条書き

  • 地方不動産投資向けとあるが、首都圏でも使える
  • 地図から動線を導き出すことで、物件のニーズを探る
  • 地図に関する記述は3割と少ないが、貴重
  • 銀行との交渉について意外に使えそうで良かった

よく考えたら当たり前だが、放棄しがちなことを分析

本書は、東京に住みながら青森や福島など東北をメインに不動産投資家として活躍されている不動産投資家によって書かれている。

表題の通り、前半から中盤にかけて、地図を使った不動産の攻略法が書かれている部分が、これまでの不動産投資本にはなく画期的な部分だと言える

例えば小学校やショッピングモールに近いことも重要だが、地図をみると「近い」以外にも安全に行けるか、どこかにいくついてでに行けるか、通勤・通学に行った帰りにどこによれるか、などが重要で、それらのニーズを攻略すると、そこに住んでる地元民や、かつて他の割高な物件を間違って借りたファミリーなどが、投資をした物件に入居し、長期間滞在してくれることが大事。
そんな感じである。この他にもいろいろと地図から読み解く手法が書かれている。

しかし、著者はそもそもが不動産投資家ではない。視点が違う

ただ、地図の箇所は3割程度。本書を買うときに想像した分量よりは少なかった。
それはおそらく、この書籍が初心者が本来は野村証券で働くトレーダーであり、通常の不動産投資家の狭くなりがちな視野を指摘したい書籍だったところが大きいだろう。

そして、本書は初心者向けである。その分、売買物件だけではなく、賃貸にも活用可能だ。
そもそもがオールインワンを目ざいているので、そうなると物件を探して、
融資をつけて、購入し、入居付けをするという全体の流れまでを書かなければならない。それ以外にも、不動産投資の全体像が多く書かれている。

その中でも、突出しているのは著者の経験による地方銀行の「口説き方」「面談の仕方」だと言えよう。特に「面談の仕方」は私のような都心近郊で不動産投資をしている人間にもとても役に立った。

表題をいい意味で裏切った書籍だと言える。

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