著者紹介

橘 玲
早稲田大学文学部ロシア文学科を卒業。元・宝島社の編集者で雑誌『宝島30』2代目編集長。経済書籍での脅威のベストセラー出版率を誇る
目次
- プロローグ 日本語の読めない大人たち
- 「人種と知能」を語る前に述べておくべきいくつかのこと
- 一般知能と人種差別
- 人種と大陸系統
- 国別知能指数の衝撃
- 「自己家畜化」という革命
- 「置かれた場所」で咲く不幸―ひ弱なラン
あらすじ(出版社の文章)
この社会は残酷で不愉快な真実に満ちている。
「日本人の3人に1人は日本語が読めない」「日本人は世界一“自己家畜化”された民族」「学力、年収、老後の生活まで遺伝が影響する」「男は極端、女は平均を好む」「言語が乏しいと保守化する」「日本が華僑に侵されない真相」「東アジアにうつ病が多い理由」「現代で幸福を感じにくい訳」…人気作家がタブーを明かしたベストセラー『言ってはいけない』がパワーアップして帰還!
概要(ブログ主の勝手なまとめ)
日本人は、自己家畜化された得意な人種である。
著者はこの仮説を立てて、本書ではさまざまな人種の能力の優劣を証明した実験結果を出しながら、世界的な人種間の本質を語っていく。
人種差別につながる研究結果は世に出にくい
本書でおどろくべきは、そのエビデンスの豊富さだろう。著者が英語が堪能なため、直で学術論文に当たっている場合も多い。
その結果わかるのは、リベラル派のヒステリー的な反対運動、スト、妨害などの原因となるいわゆる「人種差別だ!」的な事象も、元を丹念に辿っていけば、きちんと証明された人種・国別優劣評価の結果が結構あるという真実である。
習慣によって人は変わるが、教育によっては変わらないという事実
著者がどの著作でも一貫して述べている主張に「教育は無駄」という考え方がある。
教育によって人間性も能力も全て変わる、という事実は異なる信念に溺れてしまったリベラル派が貧困層、いわゆる民衆が多いために、世の中に正しいことが伝わらないのだという。
例えば、黒人はIQが低い。
これが1950年代からアメリカでは否定できない事実としてあり、マーティン・ルーサー・キングでさえ、これを前提に黒人の権利の話をしていたのだ。彼は、黒人は能力が低い。だがそれでも「権利がある」と、主張してそれが白人に受け入れられて、それで現在のプチ黒人差別社会に変わった。そういう流れがあるという。
IQは、国際間・人種間の統計データがある(当然といえば当然だ)
本書では国別・人種別のIQ一覧が掲載されている。
これは一見、とんでもないボーナストラックに見えるが、実はネットに接続すればどこでも誰でも入手することができるデータだ。しかも学術的な裏付けがあるため、エビデンスとして利用できる。だが、このような事実は、日本では表に出せない。
それは日本が、基本的人権で形作られた特殊な国だから(基本的人権とは自己家畜化のゲートドラッグ)というのは、今さらゆうべきものでもない。
このような形で、さまざまな真実が暴露され、やがて日本人が、いかに自己家畜化されたがる存在だという証明に辿り着く。
Q:本書を読むことで得られるメリットは?
A:世の中の常識とは全く逆の世界標準の知識が存在するという事実を知ることだと思う。
逆に言えば、どうして世界標準が日本に入ってこないのかがしっかりとわかる。
しかしながら、それを知れば幸せになるというわけではなさそうだ。なぜなら、家畜は家畜であることを知らないことで、安定した生活を供給されている側面があるからだ。みたいなことが書かれている。もっと簡単にいうと、無駄なアイデンティティを持つことになる。
Q:前作「言ってはいけない」と比べてどうか?
A:本書の方が地味だ。だが読むのが非常に困難で、難易度が上がった。
前提として、それなりに高度な知識も必要で、アマゾンなどのレビューで高得点がついていることが、半ば嘘くさい。戦前戦後の優生学の前提知識が必要だし、世界史の歴史ももちろん必要だ。
素直に読んで楽しいという、橘玲氏の通常の書籍とは全く違う趣になっている。
Q:どういう人におすすめか?
A:どちらかというと実際の仕事で外国人と付き合う可能性が高い人間で、それこそ商社や大企業のサラリーマンだと思う。この本を読むと、日本人が外からどう見られているのかが非常にイメージしやすい。私のような海外進出を考える芸術家にはマストな知識だと思う。
ただ、誰もが読んで得する書籍ではない。
Q:疑う部分はないのか?
A:私自身、結構本書に準じたような差別される経験をしている。
特に欧州圏やアメリカの映画祭などでの人種の扱いは結構あからさまである。
また、外国に行くと、日本人を知っていれば知っているほど、日本人としてのよけいな態度をわきまえるように、と外国人(外交官・インテリ)に促されるケースが多い。
パーティのような親睦会で頻繁に感じさせられる差別
これは、普通の暮らしをしていると絶対体験できない。
わたし自身がそのようなことを見せつけられると感じるのは、パーティなどの席でが多い。当然、アルコールが入る無礼講状態になりやすいというのもあるが、冷静な会話でも裏にあるその白人などの思想背景がわかる時がある。特に英語で、発音や、教養を求められる討議に求められるとそれはあからさまになる。
本書はそんなことでしか本来経験できないことを、一生懸命、橘氏が晒そうとして非常に苦労して書いている。しかし、私はそれって徒労に終わるんじゃないのか、とすら思っている。
貧困層に“本来伝わりにくいメッセージを伝えようとする”書籍
私はいまだになぜ、このような本(高度で難しいもの)を著者が描こうとしたのかを知りあぐねている。確かに、ヒットした本の続編という出版ができるのは大きいのかもしれないが。
第一、自己家畜化されている人自身で、本書に書かれているようなことを知りたいと思っている人が、そもそも少ないと思う。だが、橘氏はそれでも貧困層にチャンスを与えたいのだろう。無駄を承知で、でもある程度金儲けになるのでこのようなことをやっているのだろう。
アマゾンでのレビューが異常に多い
その辺を、もっとわかって読んでいれば、Amazonでのレビューのような平均4.5のレビュー数340件みたいなにはならないはずだ。
そういう意味で、私は本の内容自体は疑っていないが、読む人のテンションと動機はかなり疑い深いと思っている。本書をすすめてくる人間は、根性が曲がっていると思う。