著名マンション評論家だが、あまりにもひどい本。予想も大外れで、精度が最低『2025年東京不動産大暴落』榊淳司

投資

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著者紹介

榊 淳司

住宅ジャーナリスト。1962年生まれ。京都府京都市出身。同志社大学法学部および慶應義塾大学文学部卒業。1980年代後半のバブル期以降、四半世紀以上に渡ってマンション分譲を中心とした不動産業界に関わる。タワーマンション批判本や批判論説でメディアに頻繁に登場する。

到底専門家とはいえない驚きの低内容

この本は期待していたものの、想像をはるかに上回るデキの悪さ。
酷評レビューになります。

本書の内容は以下の通り

  • 人口減少に伴う不動産需要の衰退という誰もが予想している内容
  • ページ稼ぎの経済予測がほぼ全部外れている
  • それゆえ、2025年の暴落というのも外れそうな気がする

本書のサブキャッチは「東京の不動産暴落はすでに始まっている」である。
本書の発行が2017年だが、すでに始まっているなら「2025年の大暴落」は、起きないんじゃないですかね?そんなツッコミをしながら読み始めました。

住宅供給過剰は既定路線、誰でもわかること

著者はタブロイド紙系のユーチューバーとして、ちょくちょく動画を見ていたので、実はそれなりに期待していました。
ただ、

◯アメリカの金利上昇 → トランプが辞めさせる → ハズレ
◯2018年 日銀黒田総裁辞任 → ハズレ
◯首都近郊戸建暴落 → ハズレ(現在急上昇中)
◯投資用不動産記述 → どうやら物件を買ったことがない感じ
◯戸建は賃貸にならない → ハズレ(激増中)
◯公示路線価の記述 → 考えが素人

次々と行う予想が外れているのと、本当にこの人は不動産投資を体感として知らないんだな、
という記述に出会うたびに意気消沈していきます。それで、無知なままガンガン不動産投資に触れて、なんだか遠くの伝説でも聞くような感じで、ご自身のコメント振りかざしていきます。

マクロ(大枠)の予想は、政府の出す数字で明らかなことばかりで、そんなこと誰でも考えています。

日本は人口が減るので住宅重要は減る。誰もバブルの頃みたいになると思ってないわけです。
でも、この著者の周りはバブルの頃みたいになる!と思っている人が多いのか、
もしかすると、業者が「これからよくなりますよ!」と、業務上言っていることを信じてしまっている。だから、不動産事業者をバカにしたくなってしまい、このような本を書いてしまったのでしょう。

ただ、数点褒められる部分も僅かに存在します。

◯民泊合法化 → 予想が当たる
◯タワーマンション投資の危険性 → 現在徐々に浸透

この点は褒められるべき感じです。
著者は、タワーマンションをかなり初期段階から批判した人物です。

賑やかし書籍・薄い内容をなんとか引き伸ばして本の形にした

でも、基本30ページくらいに収まる内容を、著者の幼稚な経済予測で水増しした部分が、
2019年の今、ほぼ全部外れているので、無駄で滑稽な本となっています(2017年出版)

キラキラ大家や共食い大家の存在も酷いですが、不動産の評論家というのもこの程度。
それが不動産業界の現状なのかもしれません。

今後、きちんとした住宅ジャーナリストが登場することを期待しています。

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