“金を稼ぐ”に特化して過去書籍を再編集。橘玲や両学長などに引き継がれる儲けメソッド『巨富を築く13の条件』ナポレオン・ヒル

オーディオブック

著者紹介

ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill 1883年10月26日 – 1970年11月8日)は、アメリカ合衆国の著作家。成功哲学の提唱者の第一人者の一人であり、『頭を使って豊かになれ (邦訳:思考は現実化する)』(Think and Grow Rich)の著者。
26歳のときに、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの依頼で、2000人の成功者に20年の歳月をかけて、取材。500人以上の共同制作で『Think and Grow Rich』を書き上げる。本書は、大恐慌時にアメリカ人を勇気づける自己啓発とビジネス成功哲学の確立に貢献した。
また、第二次世界大戦後は労働市場の安定と好景気の土台となる仕事を行う。葬儀では、大勢のアメリカの歴代大統領やトップ企業、財界人などから膨大な追悼の寄稿が寄せられた。

アマゾンでは、本書の元本で洋書版Think and Grow Rich』に5万以上のレビューが寄せられている。

目次

  • 願望―成功への扉を開かせるエネルギー
  • 信念―願望実現の原動力
  • 深層自己説得―創造的な思考の種子を潜在意識に植えつける
  • 知識―他人より一〇年先んじるノウハウ
  • 想像力―無から有を生む想像力は出番を待っている
  • 計画―目標を立てても失敗する理由はこれだ!
  • 決断力―優柔不断はすべてをダメにする
  • 忍耐力―批判を恐れず困難を克服する
  • マスターマインド―協力者を軽んじては、うまくいかない
  • 性衝動―人間の本能を創造的なものに転換する
  • 潜在意識―あなたは無限の可能性を秘めている
  • 頭脳―頭は使うためにある
  • インスピレーション―英知の殿堂への扉を開く勘とヒラメキ

概要(ブログ執筆者によるまとめ)

本書『巨富を築く13の条件』は、金銭をいかにして稼ぐかと言うことに特化した箇所を、原書である『Think and Grow Rich』から抜粋をしたもので、要は簡易版である。

『Think and Grow Rich』の原書は、分厚く、アメリカに限定した事例も多いため、世界各国で出版されてるときには、かならずローカライズされている。

そのせいで、本としての意味が変わりやすく、同じ原書でも違う流通になってしまうことが少なくない。日本では、同原書を再編集したものに『思考は現実化する』(きこ書房)『新・完訳 成功哲学』(アチーブメント出版)などがある。

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以下が、本書の要点を説明していく。

人間の意識の特徴を冷静に判別

人間の思考タイプには3つの種類がある

  • (1)一人で意識的に考える
  • (2)一度頭に入れて無意識的に考える
  • (3)協力者ととも複数名で考える

(1)は、人生の基本であるが、袋小路に入りやすく、忍耐力がなければ続かないし、いわゆる理性という名の惰性が働きやすい。過剰なブレーキをかけるのだ。つまり、大概の人は(1)を制御できず死んでいく
(2)を使いこなせている人はほとんどいないが、(1)よりも強力であることが多い寝て、起きた時にいいアイディアが浮かんだり一度諦めるか忘れたことを、ある時に思い出して、それが何かの役に立ったり物事を前に進めたりする、というケースのことを指している。
(3)は単純な足し算ではなく、多くの場合、相乗的に機能する協力的な他者に相談したり、発案を依頼したりすることだ。これをヒル博士は、マスターマインドと名づけている。

本書は、(1)の限界を踏まえつつ、人間が成功に至るには(2)と(3)を使うことが重要であり、そのために何をすればいいのかを軸に構成されている。

歴史的な人物はほぼ全て、マスターマインドを利用している

これらはナポレオン・ヒルが、大勢の成功者と失敗者を取材して得られた、人間の歴史上の事実である。だが、確かに歴史の教科書などを振り返ってみても、歴史的な人物はたいがい、相互扶助型のシンクタンクのようなものをこしらえているケースが少なくない。

本書ではそのモデルケースを列挙している。

特に、当時のアメリカでの大恐慌で全財産を失ったが、生涯をかけて人生と格闘した人間たちが多く登場する。ここから学べることは現代でも多い。

日本人はカネという言葉に抵抗がある人も少なくない。だが本書を読むことで、裕福であることが、人間の平和と深く関わりがあることを思い知らされるだろう。

Q:どんな人が読むべきか?

A:失敗したことがある人で、いずれは裕福になりたい人。

今は貧乏人である、というこの部分に尽きると思う。この本は「いう通りにやればいい」という本ではなく、あくまで考え方や経験談でできている。

少しばかり説教くさいが、もし知らないことがあったら(多分あると思うが)、それが腑に落ちるかどうかをその考えたりしながら、血肉にしていくタイプの本だ。

Q:若い人向けに書かれていないような気がするが、なぜか?

A:一度落ちぶれないと本書の良さを素直に受け入れることはできない、と著者が感じているからだろう。かといって、本書から派生した『新・完訳 成功哲学』(アチーブメント出版)は、実は大学の新卒者向けにできていたりするので、それはあくまで本書の編集者の意向だと思うが。

本書で抽出されている成功法則の中には、常識的に「到底飲み込むことができないもの」が含まれている。それは「性欲の使い方が富と密接に関わる」というものだ。

これも、もしかすると若い人にはわかりにくい考えかもしれない。

例えば、育ちが良くて人生の最初から最後まで富裕層だったり、苦労せずして富を蓄積した人にとって、この点は無意識のままか、スルーされるケースが多い。だが、一度落ちぶれると、この性欲の真実に気がつきやすくなり、そこから反骨精神へと導かれる。

そういう意味で、本書はうまくいっている人はむしろ読むべきではない書籍かも知れない。

Q:原書を読んでいるのに、なぜ本書を買ったのか?

A:単純な話、以前、『悪魔を出し抜け』というヒル博士の書籍を読んだとき、あまりの衝撃でこの人の本は見つけ次第、全部読もうと決めたからである。

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Q:デメリットはあるか?

A:何度も言うが既に成功している人は、読まない方がいい。

本書を基本的にはリスペクトしているが、余計な情報も多く入っている。恵まれた人のペースを奪う、強烈な反骨心が、ヒル博士の書籍には存在しているのが特徴としてある。

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