書評

投資

スキャンダル手法・権力掌握は労働運動から学ぶ。日本会議、安倍晋三らに引き継がれたノウハウ『国商 最後のフィクサー葛西敬之』森 功

私はどちらかと言うと途中から「パワーゲームの教則本だと思って読む」感じで、のめり込んでいった。そう言う意味で、日々社内の人間関係などで疲れている人に対して、癒し効果だったりとか、勉強になる面があると思う。
オーディオブック

『戦後経済史は嘘ばかり 日本の未来を読み解く正しい視点』をベースに、ずっと敬遠してきた高橋洋一氏を研究する

私の体幹として、高橋氏の言っていることがわかり始めると、米国人トレーダーや金融関係者が時々間違っていることを言っていることすら気づけるようになる。当然、高橋ダンや両学長、広瀬隆雄が間違っていることを言っている瞬間も気づきやすくなる。
オーディオブック

直木賞らしくない極度な地味路線だが、テーマが広い。男性社会の日本での女性自活への道『対岸の彼女』角田光代

選評で、北方謙三(日本代表するマッチョ作家)がめめしい発言をしているところに、今回の角田光代のそのアラのなさが見える。つまりは、内容よりも技巧・技術的に優れた作品が、感情的な評価を受けたというのがある。
映画制作

小説『人生逆戻りツアー――あなたの人生が変わる愛と笑いのストーリー』と韓国映画『ペパーミントキャンディー』の逆再生物語構造の魅力

この『人生逆戻りツアー』と全く同じ者語り形式を取るのが韓国映画の『ペパーミント・キャンディー』(イ・チャンドン監督)。本当はこちらの方をお勧めしたい。本作の方がレベルが高いからだ。
オーディオブック

菅義偉と安倍晋三を対比。岸田文雄が変な人扱い。自民党のネチネチの根回し術が学べる『安倍晋三秘録』石橋文登

文章が下手でかつ会話が酷いので、絶対そんなことはしていないと思うが、とにかく風速はわかる。ネチネチした自民党のこういう組織論は、日本で組織に属していれば、あらゆるところで役に立つのは間違いない。そういう意味で、とてもいい本かもしれない。
映画制作

レオス・カラックス、キアロスタミの名プロデューサーで、映画美学校・東京藝術大学の映画専攻を作った人物の謎に包まれた反省『インディペンデントの栄光 ユーロスペースから世界へ』堀越謙三

これはむしろ、周囲との関係性で思わぬトラブルを起こしがちな、映画監督を目指す人間が読んでおくべき内容ではないかと思う。かなり役に立つ堀越氏の心情が綴られている。
オーディオブック

東京芸大OB監督が解説。権威を無視されるこれからの映画視聴。ただし、Z世代の定義がただの”大学生層”の可能性あり『映画を早送りで観る人たち』稲田豊史

本書で語られる“Z世代”の定義だが、よく考えると80年代も90年代も00年代も、大学生という存在、まだ社会に出ていない、自分の評価が定まっていそうで定まっていない存在の全世代的な定義に、かなり被っているのだ。古い言葉で言うと、1980年代の新人類を私は思い出した(笑)。
書評

ノーパンしゃぶしゃぶ。1992年の天皇の中国訪問。竹下登は親米ではなかった『世界が破壊される前に日本に何ができるか』副島隆彦・孫崎享

陰謀論とも片付けられがちな内容も多いが、この二人が語り合うことで、その情報制度は高まって、陰謀論の範疇から、かなり事実に近いものだとも受け取れるようになる。
映画制作

中国人に土地を売る不動産ブローカーの父と娘の映画。ストーリー構造が珍しい『ひかりのたび』澤田サンダー

この『ひかりのたび』のような映画は、今後増えていくのではないかと、私は期待されている。このくらいの複雑さが、従来の「時間内に見る」のではなく、配信として、止めて調べたり、別の日に見ていく映画として、マッチしているように感じる。
オーディオブック

アメリカ民主党が、なぜ、偽善を言えなくなったのか?凶暴化するリベラルの本質に迫る『それをお金で買いますか 市場主義の限界』マイケル・サンデル

アメリカ人に騙されたくない人が、注意深く、深読みに深読みを重ねて読み返す本であり、マイケル・サンデルの本が好きだから読む、というスタンスは通用しないと思う。